674条
永借地内ニ鉄、石、石灰、沙礫其他地内ヨリ掘出シ又ハ地表ニ於テ採取スル物料アルトキハ賃借人ハ前来ノ開掘ヲ自己ノ為メ継続スルコトヲ得
未タ開掘セサルモノニ就テハ賃借人只其土地ノ改良ノ為メ石塊其他ノ物料ヲ採取スルコトヲ得
第六百七十四條朗讀ス
第六百七十四條 永借地ニ鑛屬又ハ石、石灰、砂利若クハ其他ノ礦物ノ石坑アルトキハ賃借人ハ旣ニ始マリタル利用ヲ己レノ利益ノ爲メ繼續スルコトヲ得
若シ石坑カ未タ開カレス又ハ其利用ノ廢セラレタルトキハ賃借人ハ其土地ノ改良ノ爲メ石又ハ其他ノ物料ヲ採取スルコトヲ得ルノミ
（修正） 第一項永借地ニ石砂利若クハ其他ノ石坑ニシテ特別法ニ從フヲ要セサルモノアルトキハ永借人ハ既ニ始マリタル利用ヲ己レノ利益ノ爲メ繼續スルコトヲ得
（南部委員）
之ハ修正ガ御座イマス
（村田委員）
「鑛屬」ト云タラ「石坑」ト云フコトハ要マセン、鑛屬モ石坑ダロウ
（尾崎委員）
修正ガ宜イ
（松岡委員）
修正ガ宜シイ
（南部委員）
前ニハ「日本坑法」トアリマシタガ「特別法」ト云フ方ガ宜カロウト思ヒマス、之ガ御採用ニナレバ前ノ方モ御修正ヲ願ヒマス、五百三十六條デ御座イマス
（委員長）
石坑デナケレバ行カヌカ
（栗塚報吿委員）
イケマセン、硫黄モ御座イマスガ、礦物トハ出來マセン
（淸岡委員）
末項ハ之デ宜シウ御座イマスガ、之デ制限ヲ付ケテ置クノハ前ニ石灰ト云フ坑法ニ屬スルモノガアリ、又特許ヲ得タルトカ、種々アツタカラ
（栗塚報吿委員）
其懸念ハ主トシテ申スト、石坑ハ開カシテ居ラヌト云フノト、利用ヲ止メタト云フトキハ造ルコトハ出來マセンノダガ、併シ改良ノ爲メニハ砂利位ハ採テモ宜イト云フノダカラ差支ナイ
（淸岡委員）
改良ノミナラズ、利益ノ爲メ手續ヲ經レバ出來ル
（栗塚報吿委員）
地主デナケレバ出來マセン
（寺島報吿委員）
修正シマシタノハ第一項ハ賃借リ場合ト變リマセンノデ、二項ハ此條ニ必要ナノデス、以下ノ箇條ヲ以テ適用スル爲メニ二項ハ必要デアリマス、此レ丈ケハ賃借ト變リマス
（栗塚報吿委員）
六百六十八條以下ノ箇條ヲ以テ永貸借ニ適用スレバ少シモ變リマセン
（南部委員）
六百四十三條以下「日本坑法」トアリマスカラ之ハ「特別法」ト願ヒマス
（南部委員）
今日ハ是レ丈ケデスカ、六百五十二條ノ修正ヲ提出シテアリマスカラ御議シ下サイ
（修正案） 六百五十二條一箇ノ建物又ハ同一ノ構内ニ在リテ同一ノ所有者ニ屬スル數箇ハ建物ニ數人ノ賃借人アルトキハ其賃借人ハ所有者ニ對シ各自其賃借物ノ部分ノ價額ニ應シ火災ノ責ニ任ス但總テノ賃借人又ハ其中ノ或ル者ニ過愆ナキノ證據アルトキハ此限ニ在ラス第六百五十三條及第六百五十四條又以下ヲ刪限ス
（栗塚報吿委員）
之ハ連帶ガ廢シマシタカラ、提出シマシタ
（松岡委員）
修正案ハ至極結構
（南部委員）
「連帶シテ」ト云フ字ヲ「價額ニ應シテ」ト直シタノデアリマス
（委員長）
六百五十三條ハ除イテ仕舞フノカ
（栗塚報吿委員）
左樣デス、六百五十四條ハ又以下ヲ刪テ仕舞ヒマス
（鶴田委員）
借賃ノ價額ニ應ジテカ
（村田委員）
家ノ價額デシヨウ
（栗塚報吿委員）
借賃デハアリマスマイ、家ハ凡ソ幾ラト云フ方デスカラ
（鶴田委員）
之ヲ云フト、一人一箇ハ云ハンデモ分ルノダロウ
（栗塚報吿委員）
左樣デス、註ニハ其中ノ或ル者ニ云フ所ニ、貴君ノ仰シヤル意味モ含マレテ居リマスカラ、ソレデ宜イダロウト云フ積リデス
（村田委員）
五十四條モ要ナイ樣デス
（松岡委員）
然ウデナイ
（委員長）
修正ガ宜ウ御座イマスカ
（鶴田委員）
宜シイ
（西委員）
六百五十六條ノ別項ニ「鑑定又ハ裁判所ノ判決」トアルハ訝シイ樣ニ思ヒマスガ、註ニハ「鑑定人ノ決定」トアリマス
（栗塚報吿委員）
構成法ノ譯例デハ「裁判」ト致シマシタガ「鑑定人ノ裁判」ト云フモ訝シイカラ「判決」トシマシタ、其コトハ鑑定人ニ付テハ斯ウシテ宜イカト云フコトヲ相談致シマシヨウ
（西委員）
然ウ願ヒマス
（南部委員）
今日ハ是レデ了終デス
（委員長）
今日ハ是レデ置キマシヨウ