1110条
動産質ハ当事者ノ推定セラレタル意思ニ従ヒ働方及ヒ受方ニテ不可分タリ但明示シタル反対ノ合意アルトキハ此限ニ在ラス
動産質ハ債務者又ハ其相続人ノ一人ヨリ債務ノ一分ヲ弁償シタルトキト雖モ元本、利息及ヒ費用ノ皆済ニ至ルマテ質ト為サレタル物ノ全部及ヒ各箇ニ付キ存立ス
債権者ノ相続人ノ一人カ自己ノ部分ノ弁済ヲ受ケタルトキト雖モ動産質ハ債権ニ於ケル他ノ相続人ノ部分ノ為メ其相続人ノ担保トシテ全部ニ於テ存立ス
第千百十條朗讀ス
第千百十條 動產質ハ當事者ノ推定セラレタル意思ニ從ヒ働方及ヒ受方ニテ不可分タリ伹明示シタル反對ノ合意アルトキハ此限ニ在ラス
動產質ハ債務者又ハ其相續人ノ一人ヨリ債務ノ一分ヲ辨償シタルトキト雖モ元本、利息及ヒ費用ノ皆濟ニ至ルマテ質ト爲サレタル物ノ全部及ヒ各箇ニ付キ存立ス
債權者ノ相續人ノ一人カ自己ノ部分ノ辨濟ヲ受ケタルトキト雖モ動產質ハ債權ニ於ケル他ノ相續人ノ部分ノ爲メ其相續人ノ擔保トシテ全部ニ於テ存立ス〔第二千八十三條〕
（修正案） 第一項左ノ如ク改ム動產質ハ推定セラレタル當事者ノ意思ニ從ヒ働方及ヒ受方ニテ不可分タリ但反對ナル明示ノ約束アルトキハ此限ニ在ラス第二項「元本、利息及ヒ」ヲ「元利及ヒ」ト改メ「質ト爲サレタル物ノ」ヲ「質物ノ」ト改ム
（元尾崎）
金圓デナケレバ受出スコトガ出來ヌノダネ
（栗塚）
左樣デス反對ナル明示ノ合意ガアレバ宜シイノデス
（松岡）
之ハ佛蘭西法ヨリ良シイカ「全部及ヒ各箇」ハ「全部」デ宜シクハナイカ
（栗塚）
幾箇モ質ハ物ガアツタラ其一ツ々々ト云フ積リデアリマス
（元尾崎）
全部デ宜シイヨウデス
（委員長）
宜シクバ先ヘヤリマシヨウ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス