788条
妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル
入夫及ヒ婿養子ハ妻ノ家ニ入ル
第七百八十八條 妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル
入夫及ヒ壻養子ハ妻ノ家ニ入ル（七三二、一項、七三六、七四五、八六一、人二四三、一項、二五八）
本條ハ我邦ノ家制ヨリ生スル當然ノ結果ト謂フヘシ蓋シ妻ハ夫ノ家ニ在ルヘキモノトスルコトハ既ニ第七百四十五條ニ於テ之ヲ認メタリ然レトモ同條ハ夫ノ轉籍ニ付テノミ規定セリト雖モ本條ハ婚姻ノ結果トシテ當然妻ハ夫ノ家ニ入ルヘキコトヲ定メタルナリ唯入夫婚姻及ヒ壻養子緣組ノ場合ニ在リテハ夫却テ妻ノ家ニ入ルヘキハ是レ亦慣習上當然ト謂ハサルコトヲ得ス而シテ夫婦家ヲ異ニスルコトハ我民法ノ認メサル所ナリ是レ本條ノ外第七百三十二條第一項、第七百四十五條及ヒ第七百六十四條第二項ノ規定ニ依リテ明カナル所ナリ但國籍法ノ規定ニ依リテ妻ハ必スシモ夫ノ國籍ニ從ハサルコトアリ此場合ニ於テハ夫ハ我邦ニ於テ一家ヲ有スルニ拘ハラス其妻ハ本國ノ籍ヲ保有シ敢テ夫ノ家ニ入ラサルコトアルヘシ其他妻カ日本ノ家ニ在リテ夫カ外國籍ニ在ルコトモ亦全ク是レナキニ非ス是レ國際上ノ事項ニシテ實ニ已ムコトヲ得サル所ナリト雖モ蓋シ我國法ニ於テハ唯一ノ例外ナルヘシ（國籍法案五、一號、二號、六、二號、八、一三、一四、一八、二一乃至二三、二四、二項參照）
本條ノ結果トシテ妻ハ夫ノ氏ヲ稍〻スヘキモノトス是レ第七百四十六條ノ規定ニ依リテ明カナル所ナリト雖モ從來ノ行政上ノ慣例ニ反スル所ナリ然レトモ其然ラサルコトヲ得サル理由ハ既ニ第七百四十六條ニ就テ之ヲ說明セリ故ニ再ヒ贅セス