民法（～2019年）

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制定

785条

詐欺又ハ強迫ニ因リテ婚姻ヲ為シタル者ハ其婚姻ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得

前項ノ取消権ハ当事者カ詐欺ヲ発見シ若クハ強迫ヲ免レタル後三个月ヲ経過シ又ハ追認ヲ為シタルトキハ消滅ス

制定過程

明治民法785条

関連資料

梅謙次郎『民法要義』*未校正資料全体表示

第七百八十五條　詐欺又ハ强迫ニ因リテ婚姻ヲ爲シタル者ハ其婚姻ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得

　前項ノ取消權ハ當事者カ詐欺ヲ發見シ若クハ强迫ヲ免レタル後三个月ヲ經過シ又ハ追認ヲ爲シタルトキハ消滅ス（人六三、六四）

本條ハ當事者ノ意思カ詐欺又ハ强迫ニ因リテ瑕疵アル場合ニ付テ規定セリ蓋シ一般ノ原則ニ依ルモ詐欺又ハ强迫ニ因ル意思表示ハ之ヲ取消スコトヲ得ヘシ故ニ本條ノ規定ハ殆ト其必要ナキカ如シ唯（第一）婚姻ノ取消原因ハ總テ之ヲ限定セルヲ以テ必ス玆ニ揭ケタルコトヲ得サルト（第二）此取消ハ一般ノ法律行爲ノ取消ト同一ノ規定ニ從ハサルヲ以テ特ニ明文ヲ要スルトニ因リ本條ノ規定アルナリ而シテ其特別規定ト云フハ（第一）取消ヲ裁判所ニ請求スヘキノミナラス承諾ノ瑕疵アル當事者カ詐欺ヲ發見シ若クハ强迫ヲ免レタル後三个月ヲ經ルトキハ此取消權ハ消滅スヘキモノトセリ蓋シ夫婦ノ關係ノ如キ若シ之ヲ欲セサルトキハ殆ト一日モ忍ヒ難キ所ナリ况ヤ三个月間ニ於テヲヤ故ニ當事者カ詐欺ヲ發見シ若クハ强迫ヲ免レタル後三个月ヲ經ルモ仍虞取消權ヲ行ハサルトキハ是レ之ヲ抛棄シタルモノト看做ササルコトヲ得サレハナリ（追認ニ關シテハ一般ノ原則ト異ナルコトナシ）尙ホ第百二十六條ニ依レハ行爲ノ時ヨリ二十年ヲ經過スルトキハ取消權ハ時效ニ因リテ消滅スルモノトセリト雖モ本條ニ同樣ノ規定ナキハ果シテ如何是レ他ナシ婚姻ノ如キ神聖ナル行爲ニ付キ當事者ノ意思カ詐欺又ハ强迫ニ因リテ完全ナラサルトキハ假令數十年ノ後ト雖モ其婚姻ヲ取消スコトヲ許シテ可ナリ但實際ニ於テハ夫婦間ノ關係ハ極メテ親密ナルヘキモノナルカ故ニ永ク詐欺ヲ發見セサルカ如キコトハ殆ト是レ非サルヘク又强迫ナルモノハ到底永ク繼續スルコトヲ得サルモノナルカ故ニ當事者カ數年間詐欺ヲ發見セス又ハ强迫ヲ免レサルカ如キコトハ蓋シ絕無ト謂ッテ可ナリ况ヤ數十年間之ヲ發見セス又ハ之ヲ免レサルコトアルヘケンヤ是レ第百二十六條末段ノ如キ規定ヲ設ケサリシ所以ナリ

本條ノ規定ニ依リ强迫ニ因リテ婚姻ヲ取消シ得ヘキ場合ト第七百七十八條第一號ノ規定ニ依リテ婚姻ノ無效ナル場合トハ實際ニ於テ其甄別ニ迷ウコト稀ナリトセサルヘシト雖モ是レ强迫ニ付テハ常ニ免レ難キ所ナルヲ以テ特ニ玆ニ論セス（再訂一卷二〇九頁）

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昭和22年222号（家族法改正）

747条

詐欺又は強迫によつて婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができる。

前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後三箇月を経過し、又追認をしたときは、消滅する。

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昭和23年

747条

詐欺又は強迫によつて婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができる。

前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。

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平成15年109号

747条

詐欺又は強迫によつて婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。

前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。

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平成16年147号（現代語化）

747条

（詐欺又は強迫による婚姻の取消し）

詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。

前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。