332条
同一ノ目的物ニ付キ同一順位ノ先取特権者数人アルトキハ各其債権額ノ割合ニ応シテ弁済ヲ受ク
第三百三十二條 同一ノ目的物ニ付キ同一順位ノ先取特權者數人アルトキハ各其債權額ノ割合ニ應シテ辨濟ヲ受ク（擔一三五、三項、一四四、二項）
本條ハ節首ニ揭ケタル第五問題ニ答ヘタルモノニシテ同一ノ目的物ニ付キ同一順位ノ先取特權者數人アル場合ニ於テハ法律ハ其間ニ優劣ヲ分タサルカ故ニ勢ヒ各其債權額ニ應シテ辨濟ヲ受クルモノトセサルヘカラス是レ則チ本條ノ規定スル所ナリ而シテ其適用ノ最モ多キハ各種ノ一般先取特權及ヒ不動產工事ノ先取特權ナランカ
第三百三十二條 同一ノ目的物ニ付キ同一順位ノ先取特權者數人アルトキハ各其債權額ノ割合ニ應シテ辨濟ヲ受ク（擔一三五、三項、一四四、二項）
本條ハ節首ニ揭ケタル第五問題ニ答ヘタルモノニシテ同一ノ目的物ニ付キ同一順位ノ先取特權者數人アル場合ニ於テハ法律ハ其間ニ優劣ヲ分タサルカ故ニ勢ヒ各〻其債權額ニ應シテ辨濟ヲ受クルモノトセサルヘカラス是レ則チ本條ノ規定スル所ナリ而シテ其適用ノ最モ多キハ各種ノ一般先取特權及ヒ不動產工事ノ先取特權ナランカ
先取特權ヲ以テ擔保スル債權額ニ制限ナキ場合ニ於テハ本條ノ適用ニ付キ別段ノ困難ナシト雖モ其制限アル場合ニ於テハ多少ノ疑問ヲ生スルコトナシトセス故ニ今雇人給料ノ一例ヲ說明シ以テ他ヲ類推セシム爰ニ雇人三人アリテ甲ハ月百圓、乙ハ二十圓、丙ハ五圓ヲ受クルトセンニ若シ先取特權ヲ行フコトヲ得ヘキ財產カ百圓アリトセハ甲ハ五十圓、乙モ亦五十圓、丙ハ三十圓ノ割合ヲ以テ其分配ニ與カルヘシ（三〇九）乃チ甲ト乙トハ各三十八圓四十六錢ヲ受ケ丙ハ二十三圓八錢ヲ受クヘシ