第三編
第七章 運送取扱営業
第二百六十六条 運送取扱人トハ自己ノ名ヲ以テ物品運送ノ取次ヲ為スヲ業トスル者ヲ謂フ
運送取扱人ニハ本章ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外問屋ニ関スル規定ヲ適用ス
第二百六十七条 運送品ノ滅失、毀損又ハ延著ノ場合ニ於テ運送取扱人ハ其受取、保管、運送人又ハ他ノ運送取扱人ノ選択其他運送ニ関スル注意ヲ怠ラサリシコトヲ証明スルニ非サレハ損害賠償ノ責ヲ免ルルコトヲ得ス
第二百六十八条 運送取扱人カ運送品ヲ運送人ニ引渡シタルトキハ直チニ其報酬ヲ請求スルコトヲ得
運送取扱契約ヲ以テ運送賃ノ額ヲ定メタルトキハ運送取扱人ハ別ニ報酬ヲ請求スルコトヲ得ス
第二百六十九条 運送取扱人ハ運送品ニ関シ受取ルヘキ報酬、運送賃其他荷送人ノ為メニ為シタル立替又ハ前貸ニ付テノミ其運送品ヲ留置スルコトヲ得
第二百七十条 運送取扱人カ運送人ニ弁済ヲ為シタルトキハ運送人ノ権利ヲ取得ス
第二百七十一条 数人相次テ運送ノ取次ヲ為ス場合ニ於テハ其後者ハ前者ニ代ハリテ其権利ヲ行使スル義務ヲ負フ
前項ノ場合ニ於テ後者カ前者ニ弁済ヲ為シタルトキハ前者ノ権利ヲ取得ス
第二百七十二条 運送取扱人ハ別段ノ契約ナキトキハ自ラ運送ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ運送取扱人ハ運送人ト同一ノ権利義務ヲ有ス
第二百七十三条 運送品ノ滅失、毀損又ハ延著ニ因リテ生シタル運送取扱人ノ責任ハ其引渡アリタル日ヨリ一年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
前項ノ期間ハ運送品ノ全部滅失ノ場合ニ於テハ其引渡アルヘカリシ日ヨリ之ヲ起算ス
前二項ノ規定ハ運送取扱人ニ悪意アリタル場合ニハ之ヲ適用セス