○第二讀會第五十六回
明治十九年二月廿日
欠席 箕作委員
仝 渡邊委員
仝 周布委員
午前第時開會
○第百七十四條 原案第二百三十二條
會社ハ左ノ場合ニ於テ解散スルモノトス
一 定款ノ規定ニ依テ解散スル場合
二 期限前其他任意ニ解散スル場合
三 株主七名未滿ニ減シタル時
四 資本四分一未滿ニ減シタル時
五 會社ノ破產
六 裁判上ノ處分
（本尾委員）
本條ハ再ヒ修正ニ付セラレタルヲ以テ修正委員ニ於テ討議ノ末修正ヲ加ヘテ呈出セリ然レトモ精神ニ於テハ異ナルコトナシ第六項ノ裁判上處分ノ件ハ他ノ諸項ニ比スルトキハ少シク異種類ニ屬スルノ感ナキニアラサレトモ他ニ一ケ條ヲ設クルハ亦不適當ナルヲ以テ矢張原案ニ從テ本條ニ差加ヘタリ第五項ニ於テ破產ヲ支拂停止云々トセシ以上ハ合名會社ノ部ニ於テモ同文字ニ修正セサルヘカラス則支拂ヲ停止シタルトキハ破產ニシテ破產ナレハ解散スルヲ以テナリ
（岸本委員）
若シ第五項ヲ支拂停止ノ場合トスルニ依リ合名會社モ亦同一ニナスヘシトスルトキハ第七十一條ニモ亦第四項ヲ加ヘサルヘカラス如何トナレハ社員中ニ於テ之ヲ保續スルコトナシトセサレハナリ
（本尾委員）
然レトモ支拂ヲ停止スルトキハ必ス裁判所ニ申出サルヘカラス之ヲ裁判所ニ申立タル時ハ則破產ノ場合ニシテ其宣吿ヲ受タルノ結果トナル故第七十條ニハ加フヘカラス
（岸本委員）
支拂停止ヲ届出ルハ會社ノ隨意ニシテ必ス申立ルモノトハ爲スヲ得ス
（本尾委員）
破產法第二條ニ云々トアルヲ以テ見レハ該法ノ精神ヲ變セサル以上ハ支拂停止ノトキハ直ニ破產ノ場合ニ陷ルモノナレハ本條ノミニ依テ之ヲ加フヘカラス
（岸本委員）
破產宣吿ハ卽日ナスニアラス就テハ其間ニ之ヲ保續スルノ道ヲ講セサルモノナシトセス又裁判所ニ於テモ支拂停止ヲ申出タルトキハ是非トモ破產ヲ申渡スヘシトスルニモアラサルナリ
（本尾委員）
然レトモ停止シタル以上ハ社員ハ必ス届出サルヘカラス最モ其後宣吿ヲ止ムルノ道ナキニアラサレトモ法ノ示ス所一應ハ必ス届出ノ手續ヲ爲サヽルヘカラス
（岸本委員）
停止ハ何レノ場合ヲ以テ定ムルヤ
（本尾委員）
裁判所ハ届出ノ日ヲ以テ之ヲ定ムヘシ然レトモ其以前已ニ停止シタル實績アルトキハ届出ノ日以前ニ遡リテ現ニ停止シタル日ヲ以テ之レカ限界ヲ設クヘシ然レトモ「フハクト」ノナキ以上ハ叨リニ届出以前ニ遡リテ之ヲ停止シタルモノト定ムルヲ得ス
（岸本委員）
本員ハ停止ノ日ヲ定ムルニ付テ大ナル困難アルヘシト信ス株式ノ方ハ明カニ其確定ノ日ヲ定メアレトモ合名ニハ其事ナキヲ以テ或ハ一旦支拂停止シタル後ニ於テ保續ノコトナシトセス故ニ雙方トモ原案ニ從ヒ破產トナス方可ナルカ如シ
（鶴田委員）
一體第百七十四條ノ支拂停止トアルハ未タ裁判所ニ届出サル以前ニシテ會社ノ止タ支拂ヲ停止シタル場合ヲ云フナラン已ニ裁判所ニ申立タルトキハ直ニ破產宣吿ノ場合ニ移ルヘシ
（本尾委員）
一方ヨリ之ヲ論スルトキハ合名會社ニ於テ支拂ヲ停止シタルトキハ直ニ解散セシムルモ敢テ不可ナカル可シ
（岸本委員）
否商業ナルモノハ金融ノ劇シキモノナレハ一時ノ支拂停止ヲ以テ直ニ破產シタルモノト認ムルヲ得ス例ヘハ甲ニハ數萬圓ノ貸金アレトモ債主ノ請求アリタルトキハ會社ニ一錢ノ金圓ナキヲ以テ支拂ヲ爲スコトヲ得ス此等ノ場合ハ商業社會ニハ常ニアル所ノモノナリ然ルヲ忽チ支拂停止ノ處分ヲ受ケシムルハ實ニ酷モ亦甚シ又道理上ニ於テ爲サシムルモノニアラサルナリ
（委員長）
合名會社ノ部モ亦支拂停止トナシ差支ナキヤ否ヲ質議シタル上決定スルコトトスヘシ
○第百七十四條ハ呈案ニ決ス
○第百七十五條 原案第二百三十六條
會社解散ノ場合ニ於テハ仕掛リノ取引ヲ完結シ或ハ在來ノ會社義務ヲ盡スノ外直ニ業務ヲ停止ス可シ
取締役前項ノ範圍ヲ踰ヘテ營業ヲ爲ストキハ之ニ對シ自己ノ財產ヲ以テ其責任ヲ負ハサル可ラス
（本尾委員）
本條ノ位置ヲ前回呈シタル如ク据置キシモノハ順序上自カラ然ラサルヲ得サルヲ以テナリ如何トナレハ第百七十四條ノ事件生シタルトキニ直ニ仕掛リ事務ノ外營業ヲ停止シ而シテ之レカ爲メ取締役ハ總會開設ノ準備ニ取掛ラサルヲ得サレハ矢張本條ハ解散スヘキ事項ノ次ニ列スルヲ可トス則チ說ヲ換テ云ヘハ前條ニ直接ノ關係アルヲ以テ矢張前回ト其位置ヲ同フシタリ
（鶴田委員）
本條ノ場合ハ支拂停止ニ決スルトキハ毫モ拂渡ヲ爲スコトヲ得サル精神ナルヤ
（本尾委員）
本條ノ場合ハ營業ノ停止ニシテ支拂停止ノ如キハ破產法ニ依テ處分スレハ敢テ本條ニ關係ナキナリ
（岸本委員）
會社解散ノ場合トハ何レノ場合ヲ云フヤ
（本尾委員）
第百七十四條ノ場合ヲ云フ
（岸本委員）
然レトモ解散ハ總會ノ決議ニアラサレハ之ヲ定ムルコトヲ得ス然ラハ支拂停止トセサルモ前條ニ於テハ矢張破產トスルモ差支ナシ又修正案ニ於テハ裁判上ノ處分ト總會ノ決議トニアラサレハ解散スルコトヲ得サルノ精神トナリシニアラスヤ
（本尾委員）
ロエスレル氏ノ意ハ營業ヲ停止スルハ前條ノ諸項生シタルトキハ直ニ之ヲ爲スヘキモノニシテ敢テ決議ヲ待タサルモノナリト然ルニ第二項ハ任意ノ解散ニシテ少シク不都合ノ感ナキニアラサレトモ其意ノ生シタルトキハ直ニ停止スルモノニシテ故ラニ決議ヲ待ツテ停止スルニアラスト
○本條ハ會社解散ノ場合トアルヲ會社解散ス可キ場合ト改メ他ハ呈案ニ決ス
○第百七十六條 原案第二百三十四條
會社解散ノ場合ニ於テハ取締役總會ヲ招集シ裁判所ノ處分ニ依テ解散スル場合ノ外解散ノ決議ヲ取ル可シ
又其總會ニ於テハ破產ニ依テ解散スル場合ノ外定款ニ定メタル
方法ニ依リ結算人一名又ハ數名ヲ撰定ス可シ
○本條ハ異議ナク呈案ニ決ス
于時正午第十二時中止
午後第一時開會
○第百七十七條 原案第二百三十八條
前條ノ決議又ハ結算人ノ撰定ヲ爲サヽルトキハ始審裁判所ハ其職權ニ依リ又ハ債主若クハ株主ノ申立ニ依リ裁判上ノ處分ヲ以テ其決議ニ代ヘ又ハ結算人ヲ任スルコトヲ得
（本尾委員）
結尾ノ得トアルハ裁判所ハ決議ニ代テ撰定スルモセサルモ差支ナシト云フノ意味ニアラスシテ會社ニ於テ撰定セサルトキハ裁判處分ヲ以テ結算人ヲ任シテモ差支ナシト云フノ意味ナリ
（委員長）
若シ會社ニ於テ決議ヲ爲サヽルトキハ結算人ヲ撰定スルノ理ナシ故ニ決議ト決算人トヲ格別ニ記載スルハ不可ナリ此場合ニ於テハ解散ノコトモ結算人ノコトモ俱ニ裁判所ニ於テ任定セサルヘカラス
（本尾委員）
否會社ニ於テ解散ノ決議ハ之ヲ爲シタルモ結算人撰定ニ當テ多數ヲ得サルトキハ則裁判所ノ處分ヲ以テ之ヲ任セサルヲ得ス故ニ決議ト結算人トハ格別ニ記載セサル可ラス
一體原案ノ意ハ第百七十四條ノ第五項ノ場合ハ破產法ニ依リ管財人ヲ命スレトモ其他ハ第六項ノ事件ト雖トモ結算人ト會社ニ於テ命セサルヲ得ス若シ之ヲ爲サヽルトキハ裁判所ヨリ任命スルノ手續ナリ
（鶴田委員）
第百七十六條ノ破產ノ場合トナリシトキハ如何ナル手續キアルヤ已ニ破產法ハ商法ニ讓ルノコトト決セハ少シク其取扱ヲ示サヽルヲ不可ナルカ如シ
（本尾委員）
若シ之ヲ記載スルトキハ三條ノ能クスヘキニアラス去リトテ大體ノミモ亦記載スルコト能ハス已ニ合名會社ニモ本條ニ等シキ所アリ旁管財人ヲ命スル等ノ手續ハ別トナサヽレハ不可ナリ
○本條ハ結尾ニ「可シ」ノ二字ヲ加フノミ
○第百七十八條 原案第二百三十四條、同第二百三十九條、同第二百四十二條
會社ハ何レノ場合ニ在テモ解散ノ事由、年月日及結算人ノ氏名住所ノ登記公吿ヲ受ケ且之ヲ各株主ニ通知シ及始審裁判所ヘ届出ツ可シ
（本尾委員）
原案ナレハ事由年月日結算人ノ氏名ノ登記公吿ハ何レノ場合ニ於テモ亦登記公吿スルト云フノ意ナリ而シテ公吿、通知、裁判所ニ届出等皆必要ナルヲ以テ之ヲ合シテ一ケ條トシ修正シタリ
（鶴田委員）
何レノ場合トアルトキニ破產ハ包含スルヤ
（本尾委員）
然リ尤モ裁判所ニ届出ル場合ハ少シク破產ニハ不都合ナルカ如シト雖モ實際ハ尙其申渡シアリシコトヲ届出ルモノナレハ敢テ不都合ハナカルヘシ
○本條ハ年月日ノ下「及」ノ字ヲ削除シ他ハ呈案ニ決ス
○第百八十八條 原案第二百四十八條
結算人ハ其任ヲ受タル日ヨリ六十日以內ニ會社ノ帳簿ヲ整理シ
負債主ハ辨償期限ノ至リタルトキハ直ニ其負債ヲ辯償ス可ク債主ハ其期限內ニ其要求ヲ申込ム可キ旨ヲ三回以上廣吿ス可シ但其期限ハ六十日ヲ下ル可ラス
前項ノ廣吿ニハ債主期限內ニ申込ヲ爲サヽルトキハ其辨償ヲ結算ニ加ヘサル旨ヲ附記ス可シ然レトモ結算人ハ其債主タルコトノ明瞭ナル者ニ對シテハ期限內ニ申込ヲ爲サヽルモ其辨償ヲ結算ニ加ヘサル可ラス
○第百八十九條新設
結算人ハ前條ノ期限ヲ經過シタル後ニ非サレハ債主ヘノ支拂ヲ爲スコトヲ得ス
○第百九十條新設
期限ヲ經過シテ申込ヲ爲シタル債主アルトキハ會社ノ負債ヲ完償シタル後未タ株主ニ配當セサル會社財產アルトキニ限リ其辨償ヲ受クルコトヲ得
（本尾委員）
此三條ハ原案中ニロエスレル氏カ過日增加シタル條ニシテ先回其主義ハ略辨シ置キタリ而シテ第百八十八條ト餘リ原案ト異ナルコトナシロエスレル氏ノ追加セシハ第百八十八條ノ然レトモ以下ト第百九十九條及第百九十條ノ兩條ナリトス而シテ整頓期ヲ六十日トセシハ修正委員ノ修正セシナリ而シテ期限ノ至リタルトキハ直ニ其負債ヲ辨償ス可クトハ原案ノ意ニシテ尙之ヲ改メタリ而シテ債主ノ知レサルモノハ申込マサルモ取除ケ置クコトヽセシハ會社ニ於テ債主ノ氏名住所ノ不明ナルノ理ナシ如何トナレハ會社ノ帳簿ニ必ス明瞭ニ記載シアルヲ以テナリ尤モ第百九十條ニ記スル如ク會社ノ申込期ニ後レテ申立タル債主ハ他ノ債主同樣ニ支拂ヲ受クルコトヲ得ス債主支拂ノ後株主ニ配當スヘキ殘存金アラハ其內ヨリ償還ヲ受クルモノトセリ且第百八十八條ニ於テ廣吿スルハ會社ノ債主ハ會社ノ帳簿ニ於テ明瞭ナルヘケレトモ若シ之ニ漏レタルモノナキヲ保セサレハ旁廣吿ニテ其申込ヲ爲サシムルノ主意ナリトス
（鶴田委員）
三回ノ廣吿ハ引續キナスモ亦否ラサルモ差支ナキヤ
（本尾委員）
然リ十日ヲ隔テ廣吿スルモ三日連日爲スモ差支ナシ
（鶴田委員）
「但其期限ハ」云々トアリ此期限ノ計算ハ何レノ場合ヨリスルヤ
（本尾委員）
第一回廣吿ノ日ヨリス
（細川委員）
第百八十九條ノ如クセハ僅少ナル米屋ノ買掛リモ亦拂渡スコトヲ得サルヘシ果シテ然ルトキハ實際ニ於テ甚タ差支ヘアルヘシ
（本尾委員）
本條ノ債主ハ會社營業上ノ債主ニシテ米屋ノ如キモノヲ云フニアラス此等ハ結算事務ノ爲メニ費消スルモノナレハ敢テ本條ニ牴觸スルコトナシ
（鶴田委員）
第百九十條ノ期限中ニ申込ヲ爲サヽル債主ハ廣吿ヲ知ルト知ラサルト會社ニ其名ノ記載アルト否ラサルトヲ問ハス此內ニ包含スルトセハ假令會社其名ノ記載アリテ第百八十八條ノ二項ニ其取除ケヲ示スモ期限中ニ申込マサルトキハ株主ノ配當前ニアラサレハ負債ノ償完ヲ受クルヲ得サルヤ
（細川委員）
其場合ハ假令ハ帳簿上ニ於テ分明シアルモノト雖モ期限中ニ申込マサレハ申込ヲナシタル債主ト同一ニ拂渡ヲ受クルヲ得ス要スルニ第百九十條ハ債主ノ怠慢ヲ責ムルノ規定ニ過キサルナリ
（本尾委員）
否本條ハ帳簿ニ分明ナラサルモノナリ如何トナレハ帳簿ニ記載アルモノハ「會社ノ負債ヲ完償シタル後」トアルヲ以テ第百八十八條ノ債主ハ已ニ結算ニ加ヘラレ完償ヲ受ケタル場合ナレハナリ故ニ本條ハ住所ト氏名ト知レサル債主トス
○第百八十八條ノ「但其」トアルヲ「但要求申込ノ」ト改メ他ノ二條ハ呈案ニ決ス
○第百九十二條 原案第二百五十三條
前條ノ認定ヲ受タルトキハ結算人會社ノ負債ヲ完償シ殘餘ノ財產ヲ各株ニ應シ金圓ヲ平等ニ配當ス可シ但此配當ハ第百八十八條ニ揭ケタル最終ノ廣吿ヲ爲シタル日ヨリ一ケ年ノ後ニ非レハ之ヲ爲スコトヲ得ス
總會ニ於テ金圓ニ非サル物件ヲ以テ其配當金ニ代ヘ拂渡ス可キ決議ヲ爲シタルトキト雖モ株主ハ之ヲ請取ルノ義務ナキモノトス
（本尾委員）
本條モロエスレル氏ニ於テ追加セラレタリ則第一項中ノ但此配當以下ナリ之ヲ加ヘタル所以ハ結算結了ヲ速カナラシメンカ爲メニ廣吿ヲ了シタル後直ニ拂渡シタルトキハ第百九十條ノ債主アリテ完償ヲ申出ルモ亦其意ヲ滿タスコト能ハサルヲ以テ廣吿後ハ一ケ年トシタルナリ
○本條ハ呈案ニ決ス
以上前回ノ再修正案ニ係ル
○第百九十四條 原案第二百五十一條
結算人ノ責任ハ單ニ總會ニ對シ之ヲ負フモノトス然レトモ株主自己ノ權利ヲ傷害セラレタルトキハ結算人ニ對シ其權利ヲ主張シ及損害ノ賠償ヲ要ムルコトヲ得
（本尾委員）
本條ノ責任タル結算人ハ株主ノ撰擧シタルモノナレハ株主ニ向テ之ヲ有スルカ如シト雖モ總會ノ決議ニ依テ之ヲ任シタルモノナレハ其總會ニ向テノミ責任ヲ有スルモノナリ然レトモ株主ハ一己ノ權利上ニ就テハ普通法ニ從ヒ起訴ヲ爲スコトヲ得例ヘハ總會ヨリ訓示ヲ與フレハ結算人ハ之ヲ守ラサルヘカラス然レトモ其訓示ヲ守ルトキハ或ル株主ノ爲メニハ損害ヲ受クルコトナシトセス此ニ會社設立ノ時ニ當リ物件ヲ差入レ解散トキニハ現物ノ儘返却スルノ契約アリシニ解散ノ際結算人ニ於テハ之ヲ賣却シタリ之ヲ爲シタル結算人ハ其權利內ノコトナリト雖モ其契約ノコトハ定款ニモ訓示ニモ明定アル場合ノ如キハ其株主ハ結算人ニ向テ一己ノ要償訴ヲ爲スコトヲ得ルカ如キモノヲ云フ
○本條ハ呈案ノ通ニ決ス
○第百九十五條 原案第二百五十六條
卸責ヲ受タル時ハ結算人結算事務結了ノ登記公吿ヲ受ク可シ其公吿ニハ結算ニ就テ會社ニ要求權利アル者ハ三ケ月以內ニ申込ム可キ旨ヲ附記ス可シ其申込アリタルトキハ結算人ニ於テ之ヲ處分ス可シ
（長森委員）
本條ヲ以テ結算事務ハ全ク結了シタルヲ以テ卸責ヲ解任トスルモ敢テ差支ナキカ如シ
（本尾委員）
本條ハ結算ノコト結了シタリト雖モ未タ結算人ノ事務ナシトセス則第百九十八條ノ事ヲ了シタル後ニ於テ始メテ任ヲ解キタルモノナレハ本條ハ矢張卸責トセサルヘカラス
（鶴田委員）
「結算人ニ於テ之ヲ處分ス可シ」トハ自己所有ノ金圓ヲ以テスルヤ或ハ會社ノ金圓ヲ以テスルヤ
（本尾委員）
會社ニ於テハ豫メ是等ノ爲メ金圓ヲ備ヘ置クモノナリ未タ此他公吿等ノ殘務アルヲ以テ豫メ費用ヲ備ヘテ支辨ニ供スルモノトス
○本條ハ「其公吿ニハ結算ニ就テ」トアルヲ「其公吿ニハ結算事務ニ就テ」ト改メ他ハ呈案ノ通ニ決ス
于時午後四時閉會