○第二讀會第二十四回
明治十八年十月十五日
欠席 鶴田委員
仝 渡邊委員
仝 周布委員
午前第十時開會
○第三十八條 原案第四十四條
社員ハ契約外ニ供資ヲ增加シ又ハ損失ニ由テ減少シタル供資ヲ補充スルノ義務ナキモノトス
（本尾委員）
本條ハ契約變更ノ部ニアリシモノヲ本節ニ移シタルモノトス而シテ第三十七條以上ハ供資ニ關スル規定ナルニ本條モ亦供資ニ係ル條ナルヲ以テ玆ニ挿入シタリ
（岸本委員）
本條ニ就テハ削除ノ說モアリシカ補充スルノ義務ナキ事ハ一言セサレハ或ハ疑ナキニアラサルヲ以テ之ヲ明示スルモ不可ナシト雖モ增加ニ至テハ契約變更トナルニ依リ增加ノ事丈ハ削除スルモ可ナリ
（細川委員）
增加ハ契約變更ナリト論スルハ可ナリト雖モ本條ノ明文ニテハ契約變更ト解釋シ得サルノ疑ヒナキニアラサルナリ
（岸本委員）
增加スルノ義務ナシトアルヲ以テ裏面ヨリ論スルトキハ總員ノ承諾ヲ受ケサルモ增加スルノ權利ヲ有スルモノナリト解釋スルコトヲ得果シテ然ルトキハ甚タ不都合ナルニ依リ增加ノ事ハ削除スルヲ可トス
（箕作委員）
本條ノ如クナレハ權利アリト見サル可ラス
（本尾委員）
第五十一條及第五十二條ヲ削除セラレシ論㸃ヨリ本條ヲ論究シ來ルトキハ第三十八條及ヒ第三十九條ハ削除スルニアラサレハ實際權利ヲ得サルモノトナルナリ又岸本委員ノ說ニ從ヒ本條增加ノ事ヲ削除スル以上ハ寧ロ本條全體ヲ削除スルヲ可トス何トナレハ既ニ第三十三條ニ供資ハ會社ノ所有ニ歸ストアルニ由リ損失アルモ是レ會社ノ損失ニシテ社員ノ敢テ補充スルノ義務ナキヤ明瞭ナレハナリ
（長森委員）
實際ハ補充ナリ增加ナリ必ス總員ノ承諾上ニテ爲ス事ナルヘケレハ本條ヲ削除スルモ決シテ差支ナカルヘシ
（委員長）
獨法ハ如何
（本尾委員）
獨法ニ於テハ明條ヲ揭ケタリ卽チ本案第三十八條ノ事柄ハ獨法第九十二條ニ本案第三十九條ノ場合ハ獨法第百八條ニ規定セリ尤モ獨法ハ契約變更ノ節ナク又契約證書ヲ要スルコトナキカ故ニ社員間ノ權利義務ノ部ニ差入レタリ
（委員長）
第三十九條ヲ置クコトヽ爲スヤ
（本尾委員）
本條モ亦削除シテ可ナルヘシ
（岸本委員）
第三十九條ハ少シク要用ナル條ナレハ削除スルニ及ハサルヘシ何トナレハ持分ノ高カ增加シタルトキハ供資高ニハ差支エナキヲ以テ實際之レカ拂渡ヲ請求スルモノナキニアラサレハ豫メ之カ減少ヲ禁止スルノ明文ヲ揭クルハ要用ナルヘケレハナリ
（委員長）
供資ト持分トノ區別ハ如何
（本尾委員）
供資トハ社員ヨリ會社當初差入レタルモノヲ云ヒ持分トハ會社ノ利益アリシヨリ供資額ニ應シ積置ク所ノ高ヲ云フ例令ハ供資五百圓ニ會社追々利益ヲ生シタルニ依リ其額ニ三百圓ヲ增加シタリ卽チ合シテ八百圓トナル此總高ヲ稱シテ持分ト云フナリ
併シ持分ヲ減少スルニハ總員ノ承諾ヲ要スト雖トモ例令ハ利益配當金アランニ後日請取ルヘシトテ之ヲ會社ニ積置タル場合ニ於テハ卽チ持分ニアラサルヲ以テ總員ノ承諾ヲ要セスニ一社員ノ同意ヲ得テ講取ルコトヲ得ルナリ
（細川委員）
原案ニハ供資又ハ持分トアリ此供資ヲ削リタル理由如何
（本尾委員）
社員供資ヲ減少スルヲ得サルハ勿論ナリ若シ之ヲ減少セハ卽チ契約變更ノ規定ヲ遵守セサルヘカラサルニ依リ削除シタリ併シ持分ニ至テハ供資外ニ增加シタルモノナレハ其增加ノ部分ヲ請取ルハ差支ナカルヘシトノ論ナキニアラサレハ特ニ持分ノミヲ存セリ
（委員長）
持分ト云ヒ以テ實際ニ其旨趣ヲ知ラシムルハ困難ナルヘシ持分トハ我邦ノ通證叩ナルヤ
（本尾委員）
然リ現今我邦普通ノ語ナルカ如シ
（箕作委員）
第三十八條及第三十九條ヲ論究スルトキハ自ラ契約變更タルハ明瞭ナリト云ヒ削除スルモ不可ナキカ如シト雖モ今日ノ有樣ニテハ明カニ示ス方可ナラント思フナリ尤モ第三十八條中增加ノ事ハ之ヲ削除シ他ハ第三十九條ト共ニ原案ノ儘ニ可決セラルヽヲ希望ス
（本尾委員）
第三十八條ハ箕作委員ノ說ニ從ヒ不可ナカルヘシト雖トモ第三十九條ハ社員承諾ヲ得ルトキハ減少スルヲ得ト爲セハ其承諾アルハ則チ契約變更ナラスヤ然ラハ別段ニ明言セサルモ不可ナキカ如シ
（箕作委員）
持分ヲ減少スルハ契約變更ニアラサルヲ以テ總員ノ承諾ヲ得ルニ及ハサレトモ重ナル事件ナルヲ以テ總員ノ承諾ヲ得セシムルト記セハ不可ナカルヘシ
（本尾委員）
持分減少ハ契約變更ナリトス何トナレハ會社ハ供資積立金ノ如キ方法ヲ設ケテ增殖シタル金圓ニシテ而シテ會社ノ所有ナルモノナレハナリ然ラハ之カ減少ヲ契約變更ニアラスト云フハ何ソヤ既ニ第五十二條施行ニ關スルモノハ是レ事業ヲ擴張スルニ止マリ契約變更ニアラスト云フヲ得サルヲ以テ該條ヲ削除シタリ然ラハ第三十九條ヲ削除スルハ正當ナリト信スルナリ
（岸本委員）
第三十九條ハ契約變更ニアラサルナリ何トナレハ供資ハ公吿ニ依テ社會ニ知ラシメタルヲ以テ之ヲ減少スルハ更ニ公吿ノ手續ヲ履行セサルヘカラス是レ契約變更ナルヲ以テナリ然レトモ持分トハ供資高ヨリ生シタル部分ニ就キ云フモノナレハ之ヲ減少スルヲ得ルヤ否ヲ示スハ實際上最モ有用ナルヘシト認定スルナリ
（本尾委員）
會社ノ資本ヲ登記公吿スルノ明條ナシ又之ヲ登記公吿スルノ要用ナシ何トナレハ此會社ハ無限責任ナルヲ以テナリ又本條ハ供資外ニ增加シタル持分ト云フモ持分トハ決シテ增加シタルトキノ、、云フモノニアラス時トシテハ減少シタル場合モ亦持分ト稱スルモノナ勺而シテ供資モ亦本條中ニ入ルハ勿論ナリ岸本委員ハ既ニ社員ノ住所ヲ轉シタルカ如キモ契約變更ナリト論セラレシニ反然本條ニ至リ契約變更ニアラスト論セラルヽハ前日ノ論旨ト大ニ異ナリ頗ル其論㸃ヲ怪マサルヲ得サルナリ本官ハ契約變更ニ近キ第五十二條ヲ削除シタル以上ハ最モ契約變更ニ近キ本條ハ削除スルニ至ラサルヘカラサルナリト思意セリ
（長森委員）
持分減少ニハニケノ區別アリ卽チ資本ヲ減少スルトキハ契約變更ノ部ニ入ルヘキモノナトレモ資本ニアラサル金圓ノ減少ナレハ契約變更ト云フヲ得サルナリ故ニ場合ニ依リ契約變更ト否ラサルトノニ性質ヲ包含スルモノトス
（箕作委員）
一體社員間ノ權利義務上ニ就テハ恰モ社外人トノ關係ノ如ク會社ノ財產ト社員ノ財產トヲ明カニ判別セサルトキハ誠ニ困難ヲ生スルニ至ラン故ニ會社ト社員トノ財產ノ區別ヲ設クルノ明條ヲ示スヲ可トス
（本尾委員）
然リ
（塩田委員）
餘リ變更々々ト云ヒ削除スル時ハ途ニ差支ヲ生スルニ至ルヘシ本條ノ如キハ會社契約ニ於テ此明文ニ基キ總員ノ承諾ヲ要スルモノト爲スヤ否ヲ定ムヘシ故ニ敢テ削除スルニ及ハス而シテ契約ノ不備ナル所ヲ本法ニ於テ補フモノトセハ如何
（本尾委員）
然リト雖モ先ニ第五十二條ヲ削除セラレタル以上ハ本條ハ勿論削除スヘキモノトス
（箕作委員）
此論ハ要スルニ第五十二條ニ遡ルヲ以テ該條ヲ削ルトキハ第三十八條及第三十九條ヲモ削ラサルヲ得サルニ至ルヘシ就テハ第五十二條ヲ再議スルヤ否ヲ論セサルヘカラス
（細川委員）
然リ皆議論ノ基ク所ハ第五十二條ニアルヲ以テ今一應第五十二條ヲ議セハ第三十八條及第三十九條ヲ削除スルヤ否ヲ決スルハ蓋シ容易ナルヘシ
（本尾委員）
然リ
○第二十七條第二十八條再議
（岸本委員）
原案第五十一條及第五十二條ヲ採用スルハ不可ナリ何トナレハロエスレル氏ハ契約ヲ重大ノモノト爲シ變更ノ時ハ必ス總員ノ決議ヲ以テスヘシトノ主義ヲ空シク水泡ニ屬セシムルモノトナルヘシ尤モ契約證書ヲ作ルノ要件ニ關シテハ本官別段ニ思料スル所アルヲ以テ實ハ第三讀會ニ至リ發言セント欲セシナリ其旨趣ハ例令ハ漠然ト航海事業ヲ目的トスト契約證書中ニ記載スルトキハ其語意廣汎ナルヲ以テ苟クモ航海ニ關スル事業ハ如何ナルヲ問ハス皆包含スルモノト云ハサルヲ得ス是レ契約證書ヲ鄭重ナラシムルノ弊害ト云ハサルヘカラス故ニ本官ハ歐洲各國ノ例ニ從ヒ會社契約ハ嚴正契約ニアラスト爲シ設立ノ要件ニアラスト爲サンコトヲ望、ミ此等ハ總テ會社ノ隨意ニ任スルモノトセハ可ナラント信認セリ
于時第十二時ナルヲ以テ中止
午後第十二時十分開會
退席箕作委員
（本尾委員）
一且削除シタル原案第五十一條第五十二條ヲ再ヒ本案ニ加フルトセハ如何
（委員長）
然リ
（岸本委員）
然ルトキハ斷然ロエスレル氏ノ草案ニ從ヒ契約變更ノ一款ヲ設クルトセハ如何就テハ原案中ニテニケ條ヲ削ラハ他ハ敢テ添削ヲ加フル所モナカルヘシ原來原案モ一理由アリテ存スルモノナレハ此ニ之ヲ採用スルニ於テ敢テ差支ナカルヘシ
（委員長）
思フニ契約變更ノ節目ハ他ノ商法ニモ亦揭載セサルモノナレハ本案之ヲ削除スルモロエスレル氏ニ對スル辯解ハ毫モ顧慮スル所ナカルヘシ就テハ別ニ一款ヲ設クルヲ止メテ第五十一條第五十二條ヲ本款中適宜ニ揭載スルコトトセン其場所ハ小委員ニ於テ詳決スヘシ
（細川委員）
原案第四十五條ニハ供資ノ文字アリ修正案ニ於テハ之ヲ削除シタリシモ能ク玩味熟考スルトキハ供資ノ二字ハ原案ノ如ク記載スルヲ可トストスルカ如シ
（本尾委員）
然リ
（岸本委員）
修正第二十七八ノ兩條ハ先ニ修正シタル如クニシテ可ナルヤ
（細川委員）
委員ニ於テ爾勘考アリタシ行文中或ハ改正ヲ要スルノ箇所ナキニアラスト信ス
（本尾委員）
然リ第二十七條ハ原案ノ如クシテ可ナルモ第二十八條ハ長森委員ノ修正ヲ以テ至當ナリト信ス
（委員長）
可ナリ
（細川委員）
位置ハ原案ノ儘ニテ可ナルカ如シ
（本尾委員）（長森委員）
本員等モ亦細川委員ノ說ニ同ス
（細川委員）
然レトモ第二十七條ノ次ニ契約ニ規定セサル事項云々ト第二十九條二項ノ多數決ノコトハ本案ニ記入スル方可ナルカ如シ委員諸君ニモ尙熟考アリタシ
○右討議ノ末第三十八條第三十九條ハ修正委員ニ於テ第二十七條第二十八條ト共ニ修正ノ上更ニ總會ニ提出スルコトニ決セリ
○第四十條 原案第四十六條
社員ハ總社員ノ承諾ヲ得ルニ非ラサレハ他人ヲ新タニ入社セシメ又ハ其地位ヲ他人ニ讓ルコトヲ得ス然レトモシテ社員ノ相續人又ハ權利承繼者ハ反對ノ契約アルニ非サレハ其地位ヲ繼續スルコトヲ得
（本尾委員）
本條然レトモ以下ハ却テ反對ノ方至當ナルカ如シ何トナレハ會社契約ハ人ヲ目的トナスモノナレハ假令ハ甲ナル者ヲ目的トシテ契約ヲ爲シタルニ甲者ノ死シテ後ハ當然甲者ノ子乙ナル者之レカ嗣員トナルカ如キハ合名會社契約ノ性質ニ反スルモノトナルカ故ニ契約アルモノハ嗣員トナルコトヲ得ルモ否ラサレハ赴員タルコトハ全ク絕ユルモノトナシタル方穩當ナルカ如シ
（岸本委員）
本員ハ其位置ヲ換ヘソコトヲ望ムナリ何トナレハ他人ニ讓ルコトヲ得ストアレハ恰モ法律カ社員ニ義務ヲ負擔セシメタルカ如シトトモ決シテ然ラス止タ法律ヲ以テ之レカ禁令ヲ設ケタルニ過キサルナリ又然レトモ以下ハ未タ社員タラサルモノ則相續人ノ權利ナレハ本款社員相互ノ權利義務ノ部中ニ置クヘキモノニアラス就テハ別離ノ部中退社ノコトヲ揭クルヲ以テ之ニ對スル入社ノ一款ヲ設ケテ該款ニ本條ヲ移サンコトヲ希望スルナリ
（本尾委員）
若シ岸本委員ノ說ノ如クナストキハ全案中餘程ノ影響ヲ及ホスヘシ如何トナレハ本款ニ入ルヘキモノニアラストスルトキハ解散ノ款中ニ淸算ニ關スル條目アルモ亦不都合ト云ハサルヲ得ス如此論シ來ルトキハ少シク性質ノ異ナリタルモノアル每一ニ々款節ヲ設ケサルヘカラサルニ至ラン其煩雜タル實ニ甚シト云フヘシ又原案ノ區別ニ從ヒ如何ナル弊害アリト云フニ別ニ差支ヲ見サルカ如シ故ニ岸本委員ノ說ハ本員ノ同意ヲ表スルコト能ハサル所ナリ
（塩田委員）
要スルニ岸本委員ノ設タル極㸃ニ奔リ實際ヲ顧ミサルモノト云フヘシ之ヲ原案ノ儘トスルモ敢テ不都合アルコトナシ
（本尾委員）
若然レトモ以下ヲ本條ヨリ削除セントスルトキハ第八十六條ノ第二項ニ其意味ヲ充分了解シ易カラシムル爲メ修正ヲ爲サヽレハ字句簡短ナルカ故ニ讀者然レトモ以下モ亦該項ニ含蓄スルトハ解釋シ得サルヘシ故ニ本員ハ本條中ヨリ削リ去ルトセハ第八十六條ニ至リ充分其意ヲ示スヘシ然ラサレハ本條ニ之ヲ存スルヲ以テ可トス
（細川委員）
本員ハ權利承繼者ハ契約アル場合ニ於テノミシテ社員ノ地位ヲ繼續セシムトナスヨリモ亡社員ノ相續人ニ於テハ當然繼續シ得ルモノト爲スコトヲ望ムナリ
（本尾委員）
細川委員ノ修正說モ亦理由ナキアラス
（委員長）
然レトモ以下ヲ本案ト反對ニ揭ケ總員ノ承諾ナケレハシテ社員ノ相續人ハ社員タルコトヲ得スト爲サンカ
（長森委員）
然レトモ以下ヲ削除スルヲ可トス如何トナレハ契約ナキモ相續人等ハ當然シテ社員ノ地位ヲ繼續スルヲ得ルトセハ其嗣員ノ人物ニ依テハ會社ニ大ナル損害ヲ蒙ルコトアルヲ免カレサレハナリ故ニ假令相續人ト雖トモ總員ノ承諾アラサレハ入社スルコトヲ得ストナスヲ以テ至當ナリト信スルナリ
（本尾委員）
獨逸法ニ於テハ一人ノ死亡アリ特ニ契約ヲ以テ繼承者ヲ入ルエコトヲ定メサルトキハ勿論解散スルモノトセリ偖長森委員ノ說ノ如ク社員ノ毫モ其人物ヲ知ラサル者承繼者トシテ來ルトキハ業務ノ取扱上ニハ或ハ困難アルヲ免カレサルヘシト雖モ亦之ヲ避クルノ道ナキニアラス則他員ノ若シ入社員ヲ好マサル場合ハ裁判所ノ判決ヲ以テ其社解散ノコトヲ請求スルコトヲ得ルヲ以テ若不人物ト見認ムルトキハ社員ノ一人之ヲ訴フルトキハ裁判所ハ之ニ解散ノ判決ヲ下スヘシ則第九十七條是ナリ故ニ實際ニ於テハ入社員ノ爲メ會社ノ損害ヲ蒙ムルカ如キハ毫モナカルヘシ
若シ又之ヲ修正スルモノトセハ繼續スルコトヲ得トアル下ニ「ス」ノ字ヲ加ヘ假令相續人ト雖トモ契約ナケレハ入社スルコトヲ得サルモノトナス方可ナリ何トナレハ豫メ惣社員ニ於テ承諾ヲ得サレハ結約スルコトナシ故ニ總社員ノ毫モ知ラサリシモノヲ新ニ入社セシムルコトナケレハ決シテ會社全體上ニ影響ヲ及ホスコトアルコトナシ故ニ契約ナケレハ入社セシムルコトヲ得ストナス方適當トス
（委員長）
獨逸ニテハ承繼者ハ一人ニ限ルヤ
（本尾委員）
否一人ニ限ラス數人ヲ承繼者トナスコトヲ得如何トナレハ原物ヲ箇々ニ分配スル時ハ皆之ヲ承繼者トスルモノナレハナリ故ニ日本ノ相續人トハ自カラ其別アルモノトス
（塩田委員）
承繼者ノ三字ハ削除セン
（委員長）
本員モ亦塩田委員ノ說ト同シ
○本條ハ修正案中「又ハ承繼者」ノ五字ヲ削除シ他ハ修正案ノ通リ
于時午後第三時五十分閉會