旧商法(明治23・26年)

会社条例編纂委員会 商社法第一読会筆記 第52回

参考原資料

備考

  • 未校正のテキストデータです.
○第五十二回
○第二百八十六條
(本尾委員)
本條ノ精神ハ過日陳辯セシカ如ク株主中七名以下ニ減シタルコトヲ知リ得タル時ヨリ負擔スルノ意ナリト右ニ付前回差出ナリシ周布委員ノ說ニ付質問ヲ要メシ」ロエスレル氏モ大ニ贊成ノ意ヲ表セラレタリ然ルニ本條ハ英法ヲ參酌セシト云フヲ以テ試ミニ英法ヲ見ルニ七ケ月ノ後ニ至リテ始メテ義務ヲ負擔スルカ如ク解釋日セラルニモ未タ充分其意味ヲ解スルコト能ハス英法ノ精瀞ハ何レノ邊ニ在ルヤト質議セシニロエスレル氏ノ答辯ニ英法ハ未タ充分ト云フヲ得ス解釋上モニ途ニ分ルエナリ則チ一ハ六ケ月以內ニ責任ヲ負擔スルト一ハ六ケ月ヲ經過シテ後責任ヲ負擔スルト是ナリ故ニ文虫早ハ全ク具備シタルモノトハ云フヲ得ス故ニ全ク英法ノ如ク本條ヲ改正スルハ小生ノ不同意トスル所ニシテ已ニ本條モ悉ク英法ヲ移サスシテ其意味ヲ取リシモノナリ如何トナレハ若シ英法ヲ全ク移サハ七ケ月ニ至ラサレハ解散スルコトヲ得サルノ場合ニ立到ルヘケレハナリ又此ノ如キ法律ヲ設クルトキハ人民ハ依テ以テ詐欺ヲ行フノ準標トスルノ患ヲ生スルニ至ル故ニ七名以下ニ至リタルコトヲ知リタル株主ハ六ケ月中ノ何ケ月タルヲ論セス都テ六ケ月中ノ責任ヲ負擔セシメ其中全ク此事情ヲ知ラサル者ハ其責任ヲ免カルニモノトナシ改案セント
又合名會社トアリテハ全ク合名會社ニ變スルノ疑アルヲ以テ何トカ改ムル方可ナラントノ質問ニ對シ同氏モ別ニ意見ナシトテ左案ノ如ク改案セラレタリ
第二百八十一條第三項ノ場合ニ於テ會社其營業ヲ六ケ月以上保續スルトキハ株主ハ其期限中ニ取結ヒタル會社ノ總テノ義務ニ就キ自己ノ全財產ヲ以テ連帶ノ義務ヲ負ハサルヘカラス
然レ供七名未滿ノ減少ヲ知ラサル事ヲ證明スル株主ハ此責任ヲ免カルニモノトス
(委員長)
改案ノ方可ナルヲ以テ改案ニ決セン
(渡邊委員)
六ケ月以上トハ如何ナル意味ナルヤ
(本尾委員)
七ケ月目ノ一日ヨリ以後責任ヲ負フモノヲ云フ
證據立テノ事ニ付テハ「子カチーフ」ノ方ヨリ證明スルハ昔ヨリ大ニ議論スル所ニシテ今日トハ全ク相反スルモノナリ今日ニ於テハ「子カチーフ」ノ方ヨリ證明センコトヲ命スルコトエナレリ如何トナレハ義務ヲ免カルルモノヲ證スヘシトノ原則ニ據ルヲ以テ更ニ差支アルヲ見ス今日ノ訴訟法ニ於テハロ述ト雖モ亦證據立ル事ヲ命スルヲ得ルモノト爲ス例ヘハ自分ハ留守テアリシト云フヲ以テ自分ノ知ラサルコトヲ證明スルコトヲ命スルヲ得如此ノ事例數多アルヘシ
○本條ハ左ノ如ク改案セラレタリ
第二百八十六條第二百八十一條第三項ノ場合ニ於テ會社其營業ヲ保續シ六ケ月ヲ超ユル時ハ株主ハ其間ニ生シタル會社ノ總テノ負債ニ對シ自己ノ全財產ヲ以テ連帶ノ責任ヲ負ハサルヘカラス
然レ供七名未滿ニ減少セシヲ知ラサル事ヲ證明スル株主ハ此責任ヲ免カルニモノトス
○第二百八十七條
(本尾委員)
本條認可シ意義ヲ質シタルニ此認可ト一ハ重ニ第二百八十一條ノ第五項ニ關シテ此ニ揭ケタルモノトス則會社カ仕拂ヲ停止シタルトキハ倒產ノコトヲ裁判所ニ屆出サルヲ得ス其際會社ヨリ此屆出ト共ニ何某ヲ以テ管財人ト定メラレンコトヲ申立ルコトアリ裁判所ニ於テ其申立ヲ至當ナリト見認ムルトキハ之ニ認可ヲ與フルヲ以テ此ニ認可スヘシ下揭記シタルナリ尤モ此ノ申立モ公然タル申立ニアラスシテ竊カニ裁判所ニ由賴スルニ過キスシテ公然ノ取扱ニ付テハ矢張會就ノ申立アルニ關セス裁判所ヨリ命スル所ノモノナレハ之ヲ削除スルモ亦可ナリトテ途ニ削除スルニ決セリ且又倒產ノ場合ハ破產管財人ヲ命スルヲ以テ至當トスルニ依リ第六項淸算人ト俱ニ管財大ヲ命スルコトヲ本條ニ明記セハ如何トノ質議ニ對シ同氏モ速ニ同意ヲ表セラレ左ノ如ク改案セラレタリ第二百八十七條、、、、、、、第二百八十一條第五項及第六項ノ場合ニ於テハ會社住所地方ノ裁判所ニ於テ淸算人又破產管財者ヲ任スヘシ
(箕作委員)
倒產ノ時ハ第二百九十三條以下ニ於處分スルヤ
(本尾委員)
否倒產ノ時ハ商法中ノ倒產處分法ニ據リテ處分スルノ精神ナリ
(箕作委員)
管財者ノ氏名ヲ屆出ルモノナルヤ
(本尾委員)
否裁判所ヨリ命シタル管財者ナルヲ以テ裁判所ヨリ公吿スルモノナルヘシ此等ハ皆倒產法ニ依テ處分スルモノトス
(箕作委員)
本官ノ考フ謠浙ニ據レハ本條ニ倒產怯ニ於テ必要ナル管財人ヲ突出セシムルハ實際甚タ不便宜ナリト信ス依テ本案ニ於テハ管財人ノ取扱フ所ノ事務モ矢張淸算人ト看做シ之ニ命シテ取扱ハシムル方却テ便益ナラント信ス
(本尾委員)
否ラス倒產法ヲ見サレハ如何ナル組織權限ナルヤヲ知ラス然ラハ此案ニ限リ管財人モ亦淸算人ト看做シ取扱フニ於テハ却テ實際ニ不都合ヲ生スルアラン故ニ本案ニモ亦管財人ヲ揭ケ置クヲ可トス
(細川委員)
第三百六條及第三百八條第六項ニ據テ見ルトキハ倒產處分モ亦本款ニ據テ爲シ得ラルヽカ如シ
(渡邊委員)
本案ハ單行法律ナルヲ以テ破產管財者ナキハ勿論從來ノ法律上ニモ管財者ナルモノアルコトナシ故ニ管財者ニ關スル規定ハ破產法ト共ニ頒布セサルヘカラサルモノトス尤モ淸算人ヲ以テ之レカ取扱ヲ爲サシムルトキハ只今迄ノ慣行法ニ於ケルカ如ク取扱上强テ不可アルコトナシ故ニ本案ニ於テモ管財人ノ事務ハ淸算人ニ於テ取扱ハシムル樣改メラレタシ然ラサレハ本條ノミナラス凡本案中淸算人アルトキハ都テ管財人ヲ付シ淸算人ト管財人トハ全ク連行セシメサルヲ得ス然ルニ其法律ナキヲ以テ折角之ヲ揭ケ置クトスルモ何ノ働キヲモ呈スルコトナシ故ニ淸算人ヲ以テ取扱ハシムルコトニ質問アリタシ
(本尾委員)
右說明了
○第   條 商法草案第二百八十九條
決算人ノ姓名ヲ商業簡明簿ニ登記シタル時ハ卽チ頭取ノ代理權利ハ決算人ニ移ル者トス但シ頭取ハ決算人ノ請求アル時ハ決算事務ヲ補助スルノ義務アル者トス
○本條ハ別段異議ナク左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百八十九條淸算人ノ氏名ヲ商業登錄簿ニ登記シタル時ハ卽チ取締役ノ代表權ハ淸算人ニ移ルモノトス但シ取締役ハ淸算人ノ請求アル時ハ淸算事務ニ就テ之ヲ補助スルノ義務アルモノトス
○第   條 商法草案第二百九十條
解散及ヒ決算上ノ費用ハ他ノ支拂ニ先チテ現在ノ會社財產ヨリ支出スヘシ
(細川委員)
淸算上ノ費用ハ預メ結了ス尺シト思料スル金圓ヲ先ツ會社財產ヨリ引去リ置クモノナルヤ又ハ其事實ニ當リ逐次財產ヨリ先ツ支拂フノ意ナルヤ
(本尾委員)
前以テ引去リ置クノ意ニアラサレ供假令ハ費用千圓アラソニ先ツ淸算上ノ費用ナルヲ以テ預メ他ノ支拂ヲ見合セ置クノ意味ナリトス
(細川委員)
然ラハ引去リト云フノ意味ナル、、ヘシ
○本條ハ左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百九十條解散及ヒ淸算ノ費用ハ他ノ支拂ニ先チ現在ノ會社財產ヨリ支出スヘシ
○第   條 商法草案第二百九十一條
何ノ場合ヲ論セス凡株式會社ヲ解散シタル時ハ頭取ヨリ其旨ヲ裁判所ニ屆出ヘシ裁判所ハ解散及ヒ決算ノ實況ヲ監督スルノ權利アル者トス
(本尾委員)
本條ハ第二百八十三條第二百八十五條第二百八十六條ト比較スル時ハ不明了ナルヲ以テ質問セシニ乃チ解散シタル時トハ其亠事項ノ發シタルトキト云フ意味ナルヲ以テ解散スヘキ事項ノ發スルヤ直ニ裁判所ヘ屆出ルモノナリト而シテ裁判所ヨリ解散ヲ命シタル時モ尙ホ會社ヨリ其旨ヲ裁判所ニ屆出サシムルハ不用ナルカ如シ然リ又倒產ノ場合ハ如何之レモ同シク裁判所ヨリ命スル、モノナレハ不用ナラン然レ供倒產ノ場合ニ於テ屆出サル時ハ不都合ナルヲ以テ先ツ適用セサルモノハ裁判所ヨリ解散ヲ命シタル場合、ノミトナスヘシトテ左ノ如ク改案セラレタリ
「第二百八十一條第六項ヲ除クノ外株式會社云々」
○本條ハ左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百九十一條第二百八十一條第六項ヲ除クノ外株式會社解散ノ場合ニ於テハ取締役ヨリ其旨ヲ裁判所ニ屆出ヘシ裁判所ハ解散及ヒ淸算ノ實況ヲ監視スルノ權アルモノトス
○第   條 商法草案第二百九十二條
解散決議(第二百八十三條)ヲ官簿ニ登記シタル後ハ總テ決算ノ爲ニスルニ非サル財產處分株式讓渡賣渡及ヒ株主ノ更迭ハ皆無効ト爲ス但シ特別ノ理由アリテ裁判所ノ許可ヲ得タル者ハ此限ニ在ラス
(本尾委員)
淸算ノ爲メニスルニ非サル財產處分云々ハ株式讓渡賣渡迄ニモ係ルモノト見ユル時ハ甚タ不都合ナリ
(渡邊委員)
特別ノ理由アル場合如何
(本尾委員)
例ヘハ會社米ヲ貯藏センニ當時代價大ニ騰貴スルヲ以テ此機ニ乘シ賣却スル時ハ會社ノ爲メ大ニ利益スル所アルヲ以テ裁判所ニ願出テ其米ヲ賣却スルカ如シ
(周布委員)
株式ノ讓渡賣渡及ヒ株主ノ更迭及ヒ淸算ノ爲メニアラサル財產處分ハ無効ト爲ストセハ如何
(箕作委員)
財產處分ニ就テハ隨分アル事ナルヘシ假令ハ會社所有土地ノ鐵道線路ニ當リタルヲ以テ今之ヲ賣却スル時ハ會社ニ於テ淸算上大ニ都合宜シキ事アルヘシ
(渡邊委員)
株式ニ就テ云ハヽ假令ハ解散前ニ讓渡賣渡ノ約定ヲ爲シ手付金ヲ交付シタルニ其後解散ニ至リタル時ト雖モ既ニ手付金ヲ交付シテ約定シタルモノナノハ正當ノ讓渡トシ有効ト爲スカ如シ
(周布委員)
財產處分ノ爲メトアレハ買入ルヽ事モ爲シ得ルヤ
(本尾委員)
然リ決算ノ爲メ要用ナル時ハ賣却シ若クハ買入ルヽ事ヲモ爲シ得ルナリ
(細川委員)
裁判所ノ許ヲ得タル者ハ財產處分ノミナラス株式賣買等モ爲シ得ルヤ
(本尾委員)
然リ此場合ニ於テハ何事ヲ爲スモ差支ナシ
(周布委員)
株主ノ更迭トハ如何
(本尾委員)
株主ノ更迭トハ如何ナル場合ナルヤ今想像スル所ハ賣買讓渡ノ外ハ指示スルヲ得サレ供思フニ立案者ハ其他總テノ事項ヲ包含セシメソカ爲メ繭掾メ更迭云々ヲ揭ケタルモノナラン
(箕作委員)
賣渡讓渡ノ外ハ如何ナルモノアルヤ一應質問セハ如何
(本尾委員)
○本條ハ左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百九十二條解散決議(第二百八十三條)ヲ登記シタル時ヨリ總テ淸算ノ爲ニスルニ非サル財產處分總テノ株式讓渡費渡及ヒ株主ノ更迭ハ皆無効ト爲ス但シ特別ノ理由アリテ裁判所ノ許可ヲ得タルモノハ此限ニ在ラス
第十六款 會社ノ決算
○第   條 商法草案第二百九十三條
第百四十六條ヨリ第百五十二條ニ定タル規則ハ株式會社ノ決算ニモ亦準用ス可シ
○本條ハ別段異論ナク左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百九十三條第百四十六條乃至第百五十二條ノ規定ハ株式會社ノ淸笛升ニモ亦適用スルモノトス
○第   條 商法草案第二百九十四條
決算人ノ任務執行ニ關シテ會社ノ總會又ハ株主若クハ債主ノ申立ニ依リテ裁判所ヨリ決算人ニ訓條ヲ與フル事ヲ得ヘシ決算人ハ此訓條及ヒ法律上ノ規則ヲ遵守スルト否トニ就テ責任ヲ負フ者トス
(委員長)
總會ヨリ訓示ヲ與フルニハ裁判所ヲ經由スルノ精神ナルヤ如何
(本尾委員)
總會ハ決議シテ裁判所ヲ經ス直ニ訓示ヲ與フル事ヲ得ルノ精神ナリ
○本條ハ左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百九十四條淸算人ニハ其職務執行ニ開シ總會ヨリ訓示ヲ與ヘ又株主若クハ債主ノ申立アル時ハ裁判所ヨリ之ヲ與フル事ヲ得ヘシ淸算人ハ此訓示及ヒ法律ノ規定ヲ遵守スルノ責任ヲ負フモノトス
○第   條 商法草案第二百九十五條
會社債主ノ至當ナル申立ニ依リテ總會又ハ裁判所ノ決議ヲ以テ債主ノ利益ヲ監察スル爲メニ其代理者一名又ハ數名ヲ決算人ニ附從セシムル事アルヘシ
(本尾委員)
總會又ハ裁判所ノ決議トアレ供此決議ナル文字ハ總會ニノミ關シ裁判所ニハ係ラサルモノナリ
(箕作委員)
裁判所ニテ爲ス場合ハ總會ニ於テ爲サヽル時處分スルノ規定ナラン
(周布委員)
裁判所ニテ爲スモ亦債主ノ申立アル時ニ限ルモノナルヘシ
(本尾委員)
然リ
○本條ハ左ノ如ク修正スル事ニ決セリ
第二百九十五條至當ノ理由アル債主ノ申立アル時ハ總會又ハ時宜ニ依リ裁判所ヨリ債主ノ利益ヲ監護スル爲メニ其代理者一名又ハ數名ヲ淸算人ニ參加セシムル事アルヘシ
○第   條 商法草案第二百九十六條
決算人社名ヲ以テ諸事ヲ辨スル時ハ決算中ナル語ヲ附記スヘシ
(本尾委員)
「社名ヲ以テ諸事ヲ辨スル時ハ」トアルハ反譯穩當ナラサルナリ淸算人諸事ヲ轍甜スルニハ社名ヲ以テ載別スヘシト云フノ精神ナレハ其意義ニ改正セサルヲ得ス
(細川委員)
本條ヲ適用スルニハ假令ハ頭取支配人ト記スル場合ニハ淸算中ナル語ヲ加フルモノナルヘシ然ルニ社名ノ標札ニハ此淸算中ナル語ヲ加フルヤ如何
(本尾委員)
淸算中ナルトキハ何々會社ノ內ニ淸算中ナル語ヲ加フルモノタルコトハ細川委員ノ說ノ如シ而シテ標札ニ至テハ矢張從前ノ儘トシ假令ハ淸算中ト雖モ此語ヲ加フルコトナカルヘシト思料ス
○本條ハ左ノ如ク修正セラレタリ
第二百九十六條淸算人其事務ヲ執行スルニハ社名ニ淸算中ナル語ヲ附記シテ之ヲ用ユヘシ
○第   條 商法草案第二百九十七條
決算人ハ其任ヲ受タルヨリ六十日以內ニ會社ノ負債主及ヒ債主ノ全名簿ヲ製シ某期限內ニ負債主ハ其負債ヲ會社ニ辨償シ債主ハ其要求ヲ申込ムヘク若シ期限ヲ過キテ申込サル者ハ其要求ヲ決算中ヨリ除ク可キ旨ヲ公吿スヘシ
(河上委員)
本條ニ於テ假令ハ要求申込ヲ三回ニ別チ第一回ニ申込ムヘキ債主ニシテ第一回ニ申込マス第二回ニ至テ拂渡ヲ要求スルトキハ會社ハ其要求ニ應シ拂渡サヽルヲ得サルヤ
(本尾委員)
ロエスレル氏ニ於テハ其區別ヲ立テスシテ單ニ申込期限ノ過キタルトキハ要求ヲ肯セサルノ精神ナリ然レ供徒ラニ空過シタルニアラスシテ假令ハ債主ノ洋行中ニシテ實際其公吿ヲ知リ得サル證據ヲ擧クルトキハ會社ニ於テ無論其要求ヲ拒ム事ヲ得サルヘシ若シ又會社之ヲ拒ムトキハ憤主ハ之カ不理ナルコトヲ裁判所ニ訴ヘ其處分ヲ求メサルヘカラス然レ供其拂渡ヲ要求スルモ會社淸算事務ノ未タ結了セサル以前ニアラサレハ効ナシ若シ淸算事務ヲ結了シ夫々拂渡シタル以後ニ至テハ又可拂渡モノナケレハ假令申立理由ノ充分ナルニ係ハラス要求ヲ得ル事難カルヘシ故ニ申込期限後六七日ヲ過クレハ已ニ其効ナキモノトス
(周布委員)
債主名簿ニ記名セラレタルモノハ公吿期限內ニ申込マサルトテ名簿中ニ現存シアル債主權ハ決シテ淸算中ヨリ除却セラ、ルニカ如キコトハナカルヘシ
(本尾委員)
然リ
(鶴田委員)
本條ノ公吿ハ裁判所ヨリナスヘキモノニアラスシテ自己ナス所ノ公吿ナレハ「廣吿」ト改ムル方向ナリ若シ之ヲ公吿トフストキハ裁判所ヨリナス所ノ公吿ト相混シ實際不都合ヲ生スルノ恐ナシトセサレハナリ(之ニ決ス)
○本條ハ左ノ如ク修正セラレタリ
第二百九十七條淸算人ハ其任ヲ受ケタルヨリ六十日以內ニ會社ノ負債主及債主ノ全名簿ヲ製シ且某期限內ニ負債主ハ其負債ヲ广コ會社ニ辨償シ債主ハ其要求ヲ申込ムヘキ旨ヲ廣吿ヲ以テ催促シ此廣吿中ニハ債主徒ラニ期限ヲ經過シタル時ハ其要求ヲ淸算中ヨリ取除ク可キ旨ヲ附記スヘシ一