○第三十六回
明治十七年十二月五日
午前第十時開會
欠席 岸本委員
○第 條 商法草案第二百六條
（本尾委員）
本條氏名削除ノミヲ云ヒ其他ノ事ヲ削除スルモ不可ナキカ又公裁ヲ仰クハ如何ナル理由ナルヤノ質問ナリシロエスレル氏云ク氏名ノ外ハ揭クルヲ必要トセス如何トナレハ必シモ其人ノ氏名ヲ削ルニアラスシテ株主タル名義ヲ削除スルモノト解釋セハ充分其意ヲ了解スルナルヘシト然ラハ年月日等ヲ削除スルモ同樣ニシテ矢張リ罰ヲ科スルナルヘシ然リ罰ヲ科スルハ當然ナレトモ本條ハ株主ノ氏名削除ヲ第一ノ重大事件トスルモノニシテ公裁モ馬名ノ爲メニ仰クモノナリ併シ氏名ノ爲メ公裁ヲ仰ク場合ニ於テハ年月日等ト異ナリ會社ト紛議ヲ生セサル前ト雖モ直ニ公裁ヲ乞フコトヲ得ルナリ是レ公裁云々ヲ特ニ揭載スル所以ナリ若シ年月日等ニ就キ公裁ヲ仰カソカ通常貸借金ノ場合ニ於テ借主ノ返濟セサルニ至リ途ニ彼我紛紜ヲ生スルニ及ヒ始ラ公裁ヲ乞フト同一ノ手續ヲ以テス要スルニ本條ノ場合ニ於テハ株主タルモノヨリ會社一ニ應ノ掛合ヲ爲サス直ニ裁判所ニ訴フルヲ得ルニアリ蓋シ株主ニシテ氏名ノ記載ナキトキハ利益配當ヲ受ルノ場合ニ至リ大ニ損失ヲ被ムレハナリ
（委員長）
罰セラル丶者ハ何人ナルヤ
（本尾委員）
裁判所ニ於テ取締役ヲ罰スルナリ
（委員長）
然ラハ裁判官ハ罰ヲ科スルト同時ニ刑事附帶ノ民事卽チ氏名削除ノ事ニ付裁判ヲ爲スニアラスヤ
（本尾委員）
罰ヲ科スルト株主名簿ノ記載ニ付權利ノ有無ニ關係ヲ有セサルナリ要スルニ氏名削除ノ場合ハ他ノ場合ト同一ナラス直ニ公裁ヲ仰クヲ得ルト又民事刑事ノ區別アルニ過キサルナリ
（委員長）
株主ヨリ罰ヲ科セラレタシトノ訴ヲ爲シ得ルヤ
（本尾委員）
官吏檢査ノトキ發見シタルトキハ直ニ吿發スルモノトス尤モ株主ヨリ起訴スルコトモナキニアラス
株主ヲ株トセサルコトヲ見出ストキハ取締役ヲ罰シ其株主ノ氏名記入ヲ命ス然ルニ會社ハ其株式ハ已ニ他ニ讓渡シタル等ノ事ヲ以テ株主トノ爭議ヲ起シ公裁ヲ仰クコトアルヘシ
（箕作委員）
實際上アリ之ヲ論スレハ例令ハ名簿ヲ見ルニ自己ノ株主タル記載ナキヲ以テ會社ニ氏名記入ヲ申込マソニ會社之ニ抗辯スルトキハ互ニ爭議ヲ生シ本條ナキモ自然公裁ヲ仰カサルヲ得サルニ至ルヘシ是レ通常貸借ノ事件ニ付起訴スル上毫モ異ナル處ナカルヘシ
（本尾委員）
少シク違フ例令ハ會社ニ貸金アランニ貸主ヨリ催促スルニ至リ會社之ヲ借ラスト云フ時ニ初メテ公裁ヲ仰クトハ同一ナラス
（箕作委員）
若シ催促スルニ直ニ返濟スルトキハ固ヨリ爭論ノ生スルナク其返濟ヲ拒ム場合ニ至リ公裁ヲ仰クモノナレハ決シテ尋常昏ハ借ト異ナルナカルヘシ
（本尾委員）
否本條ノ場合ニ應ノ照會ヲモ爲サスシテ直ニ公裁ヲ仰クモノナレハ尋常貸借トハ差異アリ
（委員長）
罰ヲ適用スルモ公裁ヲ仰クナリ然ラハニケノ公裁ヲ仰クナリ
（箕作委員）
本條ノ精神ハ氏名削除又ハ記入セサルトキハ民事裁判所ニ於テ之ヲ處分シ罰ヲ科スルハ刑事裁判所ニ於テ處斷スルモノニシテ其間ニ途アルモノト信ス
（本尾委員）
本條ノ精神ハ罰則ヲ適用スルト否トニ係ハラスト云フニ在リ
（河上委員）
本條ニ氏名トアリ然レトモ例令ハ株劵五枚ヲ所有スルモノアランニ名簿ニハニ枚乃至三枚ト記載シアルトキハニ枚乃至三枚ノ損害ヲ受クル場合ニ於テモ公裁ヲ仰クハ同一ナラン單ニ氏名ノミテハ不都合ヲ生スルナリ
（本尾委員）
ロエスレル氏ノ答辯ニ依レハ削除スルモ記入セサルモ皆ナ「フヲルム」（形）ナリ一體「フヲルム」ニ付テハ起訴スルコトヲ得サルナリ故ニ本條ニ公裁ヲ仰クヲ得ルコトヲ示ササレハ「フヲルム」ナルヲ以テ既ニ爭論ノ生シタル後ニアラサレハ起訴スルヲ得サルモノト解釋スルノ恐レアリト云フニ過キサルカ如シ
（長森委員）
實際ニ例ヲ取テ云ソニ株式ヲ差入レタルニ名簿ニ記入ナキヲ以テ直ニ株主ヨリ之ヲ訴ヘタリ依テ裁判官取締役ヲ審問セシ時取締役ノ粗漏ニテ之ヲ記入セサルトキハ直ニ其記入セサル罰金ヲ科セラレ而シテ後其記入ハ民事裁判所ニ訴フルコトナルヤ
（本尾委員）
先ツ民事裁判所ニ訴ヘテ記入ノコトヲ申述ヘ然ル後檢事ヨリ之カ不都合ヲ發見スレハ刑事裁判所ニ吿發スルノ手續ナリ
（長森委員）
或ハ株主ヨリ起訴セス揄杏ヲ受クル場合ニ當リ此等ノ不都合ヲ發見シタルトキハ官吏ヨリ刑事裁判所ニ吿發スヘシ其時ニ至リ株主始メテ自己氏名ノ記入ナキヲ知リ直ニ民事裁判所ニ訴フルコトアルヘシ然レトモ其間ニ於テ兩裁判共ニ處分シ得ラルルモノニシテ此記載アルトキハ誠ニ格別ナルノ感ナキニアラス
（本尾委員）
其場合ニ在テハ民事刑事兩裁判所ノ裁決ヲ受ケサルヲ得ス
本條原文ノ意味ハ削除又ハ記入セサルトキハ公裁ヲ仰クコトヲ得ヘシ但シ第條ニ定メタル罰ヲ科セラルユハ勿論ナリト云フニ在リ
（塩田委員）
「之カ爲メ設ケタル罰則ヲ適用スルト否トニ拘ハラス裁判上ノ處分ヲ受ルコトヲ得ヘシ」トセハ如何
本條ハ衆議ノ上左ノ如ク修正ヲ加ヘタリ
第二百六條會社正當ノ理由ナクシテ名簿中株主ノ氏名ヲ削除シ若クハ記入セス又ハ株主ニアラサル者ノ氏名ヲ記入シタルトキハ之カ爲メニ設ケタル罰則ニ拘ハラス裁判上ノ處分ヲ求ムルコトヲ得ヘシ
○第 條 商法草案第二百七條
（本尾委員）
呈示トハ帳簿ヲ呈シ一覽ニ供シ直ニ持歸ルノ意ナリ然ルニ之ヲ一覽ニ供シテ持歸ルトセハ裁判官ニ於テハ何ノ利益アルヤ一體此條ヲ設ケタル精神ハ何レニアルヤト質問セシニロエスレル氏ノ答ニハ年々一回宛裁判官ノ一覽ヲ經ヘキモノトスル時ハ之ヲ設ケサルノ弊ヲ防キ且ツ犯則等モ從テ減省スルニ至ラン是等ノ利益アルヲ以テ本條ヲ設ケタリト
一覽ニ供スルノミニセス副本ヲ作リ裁判所ニ納メ置クコトヽ爲サハ如何ト質問セシニ實際ハ名簿大部ナルモノアリテ之カ副本ヲ作ラシムルハ困難ナルヘシト
（河上委員）
英法ニ於テハ副本ヲ作リ裁判所ニ納メ置クノ規定ナリ
○第 條 商法草案第二百九條
（本尾委員）
本條ニ金額年月日ノ文字ナキヲ以テ之ヲ質疑セシニ實際ニ於テ金額ヲ記載セサル場合ナカルヘシト若シ然ラハ金額年月、日記載ナキトキハ之ヲ罰スルコトヲ得サルヘシト曰ク如斯論者アラハ之ヲ追加スルモ可ナリトテ左案ノ如ク改定セラレタリ併シロエスレル氏ハ餘リ必要トセサルシ
第二百九條株劵ニハ其金額、發行ノ年月日、番號及社名ヲ揭ケ社印ヲ捺シ株主ノ氏名ヲ記スヘシ
○第 條 商法草案第二百十條
（本尾委員）
「フクセツシヨン」相續ナル語ニ付質問セシ處遺囑ノ有無ヲ問ハス總テ包含スルモノナリト然レトモ我邦ニ於テハ遺囑ナキ財產ハ家督相續法ニ依リ總テ長男之ヲ所有シ次三男ハ長男ノ保護ヲ受クルノ法律ニシテ遺物分派法ナキ邦ニ於テハ不要ナルヘシト述フヘシニロエスレル氏ハ我相續ヲ知ラサルヲ以テ規定セシナレハ此「フクセツシヨン」ナル語ヲ削除セン然レトモ其他ノ場合ニ於テ分割スルヲ得サル物件ニ付數人共有スルノ場合ナキニアテス例ヘハ一ノ土地ヲ三人ニ分割スルヲ得サルヲ以テ之ヲ共有ト爲シ又質入贈與等ニ在テハ如斯コトナキヲ保セサレハトテ左案ノ如ク改定セラレタリ
第二百十條株式ハ分割スルヲ得ス
○數人株劵ニ醬スル共同所有權ヲ得タルトキハ會社ハ其中株劵ノ現有ヲ以テ自己ヲ證明スル者ヲ（株劵ヲ正當ニ現有スルヲ以テ自己ヲ證明スル者ヲ）其專有者ト看衞撚スコトヲ得ヘシ
又現有者トアルヲ以テ若シ窃取シタル者之ヲ現有スルトキハ此者ヲ株主ト爲サヽルヲ得サルヘシト質センニ抑モ所有權ヲ得ルハ正當ノ原由アラサレハ之レカ權ヲ得ルコト能ハサルハ明瞭ナレハ決シテ差支アルコトナシト
○本條ハ左ノ如ク修正ヲ爲スコトニ可決ス
第二百十條、、、、、、、
○數人株劵ニ對スル共同所有權ヲ得タルトキハ會社ハ其中ノ株劵ヲ現有スルモノヲ以テ其專有者ト看做スコトヲ得ヘシ
以上覩明了
○第 條 商法草案第二百十一條
會社株金ノ內金ヲ領收シタルトキハ假株劵ヲ交付シ金額領收ノトキニ至リテ之ヲ本株劵ト交換スヘシ
（本尾委員）
內金ト云フトキハ既ニ拂フヘキ義務アルモノヽ內金ト解辯シ不都合ナキニアラサレハ完納云々ト爲シ左ノ如ク修正セハ如何
株金ノ前額完納ニ至ラサル間ハ會社ハ假株劵ノミヲ交付スルコトヲ得ヘシ全額完納ニ至リ之ヲ本株劵ト交換スヘシ
○本條ハ左ノ如ク修正ヲ加ヘタリ
第二百十一條 株金ノ拂込全額ニ充タサル間ハ會社ハ假株劵ノミヲ交付スルコトヲ得全額完納ニ至リ之ヲ本株劵ト交換スヘシ
○第 條 商法草案第二百十二條
假株劵及ヒ本株劵トモ會社ヲ官簿ニ登記セサル以前ハ之ヲ交付スルコトヲ得ス
（本尾委員）
會社ノ登記以前ニ在テハ之ヲ交付スルコトヲ得ストセハ如何
（細川委員）
登記以前ニ假株劵ヲ渡スヲ得ストアリ然レトモ第百九十三條ニ據レハ登記以前ニ二十五分ノ金額ヲ拂込ムトキハ假株劵ヲ渡スヲ得トアリ如何
（本尾委員）
登記以前ニ二十五分ノ金額ヲ拂込ムトキハ假株劵ヲ渡スニアラスシテ通常ノ領收證ヲ渡スナリ
本條ニ修正ヲ加フルコト左ノ如シ
第二百十二條假株劵及ヒ本株劵トモ會社ノ登記以前ニ之ヲ交付スルコトヲ得ス
○第 條 商法草案第二百十三條
株金額ノ四分一以上ヲ拂込サル前ニ請取證書、株劵又ハ株式利札ヲ讓渡シ又ハ賣渡ス者ハ無効トス又讓渡人又ハ賣渡人ハ何ノ場合ヲ論セス常ニ會社ニ對シテ株金ノ半額ニ充ツル迄ヲ拂込ノ義務ヲ負フ者トス但シ會社ヨリ特ニ其義務ヲ免スルトキハ此限ニアラス
（細川委員）
請取證書ハ如何
（本尾委員）
第百八十八條第三ノ請取證書ヲ云フ
（鶴田委員）
株式利札ハ四分一以上拂込マサル前ニ出スコトヲ得サルナルヘシ
（本尾委員）
然リ本條ハ若シモ法ニ背キ之ヲ出シタルトキハト云フ」在リ
正午十二時中止
○午後第二時四十五分開會
（細川委員）
四分ノ一以上ヲ拂込マサル問ハ會社ハ未タ成立セサルハ勿論ナリ然ラハ株劵等ヲ渡スノ理由ナク又之ヲ渡スモ無効タルヘキハ固ヨリ言ヲ俟タスシテ明ナリ然ルヲ本條ニ揭載スルハ如何ナル理由ナルヤ
（本尾委員）
明言セサルモ可ナリト雖トモ本條ノ精神ハ又讓渡人云々以下ヲ以テ主眼ト爲ス
（細川委員）
然ラハ半額迄ハ元株主カ責任ヲ負フハ如何
（本尾委員）
夫ハ讓受人ニ於テ殘額ヲ拂ハサル時ハ元株主ニ於テ拂込マシムルノ義務アリ尤モ讓渡ノ時ハ會社ニ於テ讓受人ノ資力ナキ場合ハ賣渡ヲ拒ムコトヲ得ヘシ
（箕作委員）
又讓渡人以下モ四分一以上拂込マサル時ナルヤ
（本尾委員）
否然ラス四分一以上ヲ拂込タル後ニ係ルノ文ナリ
（委員長）
何レノ場合トハ如何
（本尾委員）
四分ノ一以上ヲ拂込ミタルト否トヲ問ハスト云フニ在リ
（周布委員）
註釋ニ依レハ四分一以上ヲ拂込タル場合ニシテ會社ノ承諾ヲ得タルトキト雖トモト云フ結脚紳ノ如シ
（細川委員）
但書ノ場合ハ如何
（本尾委員）
讓渡ノ時ニ當リ讓受人ノ充分資力アルトキハ會社讓渡人ニ對シ半額拂込ノ義務ヲ釋放スルヲ云フ
（鶴田委員）
半額拂込ノ上餘リ半額ノ拂込ニ當リ讓受人ノ無資力トナリタルトキハ如何
（本尾委員）
此場合ニ於テハ其株劵ヲ賣買シテ處分スルナリ
（委員長）
何レノ場合トハ賣渡讓渡ヲ指ス語ニハアラサルヤ
（細川委員）
本官ノ最初思料セシトキハ「請取證書ハ株劵利札ヲ賣渡讓渡ス場合ヲ問ハス」ト信シタリ
（周布委員）
本條又讓渡人以下ハ第二百十四條ノ第二項ト爲スヲ可トス
（本尾委員）
本條ハ質問スヘシ併シ質疑ノ趣旨ハ又讓渡人以下ハ如何ナル精神ナルヤ、又若シ說明ニアル精神ノ如クンハ第二項ト爲シテハ如何ナルヤ、又第二項ニ記スルニハ四分ノ一以上ヲ拂込タルニモセヨ云々ヲ以テセン
（鶴田委員）
株劵賣買ハ何時ヨリ正當ニ爲スコトヲ得ルヤノ規定ナシ皆裏面ヨリ之カ規定ヲ設クルヲ以テ法律ノ原則ヲ見出シ難カルヘシ
（周布委員）
株劵ハ何時ニテモ賣買シ得ルヲ原則ト爲ス然レトモ四分ノ一以上拂込マサル時ハ之カ賣買ヲ禁スルト云ヒ變則ヨリ之カ規定ヲ設シナリ
（本尾委員）
然リ株劵ハ流通シ得ヘキヲ原則トス故ニ本條ノ如キハ變則ヨリ規定セルモノナリ
○本條ハ質問上修正スルコトニ決ス
○第 條 商法草案第二百十四條
株式ヲ讓渡シ又ハ賣渡スト雖トモ其讓受人又ハ買受人ノ姓名ヲ株劵及ヒ株主名簿ニ記載シ且讓渡又ハ賣渡ニ就テ會社ノ承諾ヲ得ルマテハ無効トス
（本尾委員）
會社ノ承諾ノ語ハ賣渡スト雖モノ間ニ挿入スヘシ如何トナレハ會社ノ承諾ナケレハ氏名ヲ名簿及株劵ニ記入スルノ理由ナケレハナリ
（箕作委員）
原文ニ依ル時ハ反譯ノ方可ナルカ如ク見ユ
（鶴田委員）
本文ニ依テ解釋スルトキハ名簿ニ記載シテ株劵ヲ書替ルモ若シ後日會社ノ承諾ナキニ於テハ實ニ無効ニ歸ス承諾ハ記載スル以前ニ於テ必ス得サルヘカラス
（本尾委員）
然リ
（周布委員）
假株劵ノ文字ナキハ如何
（本尾委員）
株劵ノ內ニ包含スルナリ
（委員長）
本條モ甚タ解釋シ難キ處アレハ兎ニ角質問シテ其疑義ヲ阜明陷瞭ナラシムヘシ
（本尾委員）
諾
○本條修正ハ質問ノ上爲スコトニ決ス
○第 條 商法草案第二百十五條
名簿及ヒ計算整理ノ爲メ會社ハ年々公吿シテ十五日ヲ踰ヘサル日數間株式ノ讓渡賣渡ヲ停止スルコトヲ得ヘシ
（周布委員）
官ト私トノ區別ヲ以テ本條ノ公吿トアルハ彼ノ登記公吿ト同ク官ヨリ爲スノ疑ナキニアラサレハ會社ヨリ爲スハ廣吿ト改メ人民自ラ之ヲ爲スコトヲ區別セハ如何
（鶴田委員）
日本ニ於テハ廣ト云ヒ公ト云フモ官私ノ區別ナケレハ就レニテモ可ナラン
本條ハ左ノ如ク修正ヲ加フルコトニ決セリ
第二百十五條會社ハ名簿及ヒ計算整理ノ爲メニ年々公吿ヲ以テ十五日ヲ踰ヘサル日數間株劵ノ讓渡賣渡ヲ停止スルコトヲ得ヘシ
午後第二時十分閉會