旧民法・法例(明治23年)

法律取調委員会 民法草案議事筆記 第72回

参考原資料

備考

  • 未校正のテキストデータです.
民法草案債權擔保編第七十二回議事筆記
自第千四十七條至第千六十條
第千四十七條朗讀ス
 附錄 法律上ノ保證及ヒ裁判上ノ保證
第千四十七條 法律ノ條例又ハ判決ニ從ヒ保證人ヲ立ツルノ責ニ任スル者ハ自ラ保證人ヲ立テント約シタルトキト同一ノ條件及ヒ第千十五條並ニ第千十六條ニ定メタル如キ條件ヲ具フル保證人ヲ立ツルコトヲ要ス〔第二千四十條〕
法律上及ヒ裁判上ノ保證人承認ノ方式ハ民事訴訟法ニ之ヲ規定ス〔佛訴第五百十七條以下〕
(修正案) 「法律ノ條例」ヲ「法律ノ規定」ト改ム尙ホ以下ノ各條「條例」トアルヲ「規定」ト改ム「同一ノ條件及ヒ」ヲ「同一ノ條件ニシテ」ト改ム
(栗塚)
「附錄」ハ「第四節」ト致シマス章トスルガ穩當デアルカ知レマセンガ章ト云フノハ第一ニ對人ノ擔保第一部保證ト云テ保證ノ小譯ガ三節アツテ全ク之ハ別物デ御座イマスカラ四節トシタルハ良クアリマスマイガ、去リトテ外ニシ樣ガアリマセン、「別則」トスルコトモ「附則」トスルコトモ出來マセン
(渡)
節デ宜シイ
(淸岡)
附錄ニ比ブレバ節ガ宜シイガ節モ面白クナイ
(北畠)
千三條ノ附錄ニ之ヲ定メテアル
(栗塚)
「保證ニ特別ナル規則」トヤリマシタ
(松岡)
用收權ノ處ノ使用權、住居權ノ處ニ特別ナル規則ト云フノガナイカラ之モ特別ナル規則ハ入レヌ方ガ宜シイ
(栗塚)
千三條ノ所ヲ持テ來タ積リデス
(松岡)
本體ノ規則ハ通ズルケレドモ其レ丈ケ特別ナル規則ヲ附錄トスルト云フノダノヲ附錄ト云ハヌカラ寧ロ「保證」トバカリシタ方ガ良カロウト思フ
(栗塚)
保證ノ目的及ビ本性、其レカラ保證ノ效力、保證ノ消滅、トヤツテ來マシタカラ此處デ唯保證ト云フト一番最初ニ「第一部第一章保證」トシテ其レカラ第一節尋常ノ保證トシテ此處ハ「法律上ノ保證」ト云ヘバ宜シウ御座イマスカ
(槇村)
保證ニ特別ナル規則ト云フト裁判上ノ保證ガアツテ其中ノ特別ナル規則デスカ
(松岡)
ソウデハナイ、裁判上ノ保證ハ特別ナル規則ト云フノダ
(槇村)
特別デナイ裁判上ノ保證ガアリマスカ
(南部)
特別ナル規則ト云ハヌト別ノモノニナルカラ外ハ前ノモノニ從フト云フ意味ガアル
(松岡)
一體ノコトヲ云ヘバ前ニ皆入ツテ居ルガ取除ケヲ見タ樣ナモノガアルカラ
(南部)
佛蘭西ハ賃借ガ疑トナツテ居ル物ノ賃貸ノ中ノ特別ナル規則トアルカラ
(淸岡)
千三條ハ「法律上ノモノアリ裁判上ノモノアリ」トシテ仕舞ツタカラ任意ノモノハ是迄云フテ來テ此處デ又改メテ云フノダカラ「保證」ダケデ良クハナイカ
(栗塚)
是レ丈ケデ悉皆ヤレバ宜シイ今迄ノヲ適用シテ加フルニ別段ノモノヲヤツタノデ御座イマスカラ
(槇村)
法律上裁判上ニスル特別ナル規則ト云フノダカラ有ル方ガ宜シイ
(淸岡)
置クコトニシマシヨウ
(村田)
「法律上及ヒ裁判上ノ」デ宜シイ
(松岡)
ソレデ宜シイ
(村田)
「法律ノ條例」ハ「法律ノ規定」トナルカ
(栗塚)
「法律ノ條例」ハ「法律ノ規定」トナリマシテ「同一ノ條件及ヒ」ハ「同一ノ條件ニシテ」トナリマス
(松岡)
定メタル條件デハナイカ
(栗塚)
原文デハ「定メタル如キ條件」トアリマス
(松岡)
「保證人ニ立テント約シタル同一ノ條件ニ保證ヲ立ルコトヲ要ス」ト云フ括觚ヲシタ樣ナモノダ
(村田)
千十六條ハ當テ篏ラヌ樣デス
(栗塚)
保證人デナケレバ錢ヲ出スト云フコトデ御座イマス
(村田)
千十五條バカリ云フタ方ガ宜クハナイカ
(南部)
ソウスレバ削ツタ方ガ宜シイ
(松岡)
人ガ元トダカラ保證人ヲ入レナケレバナラヌダロウ
(淸岡)
保證人ヲ立ル處カラ生ジテ來ルノダカラ
(村田)
「保證人又ハ物上擔保ヲ與フルコトヲ要ス」トスレバ宜シイ
(松岡)
「約シタルトキト同シク」トスレバ宜シイ、條件ト云フコトガ下ニ在ルカラ
(南部)
條件ガ一ツアルノハ可笑シイカラ「同一トシテ」トシテモ宜シイ
(松岡)
其レガ宜カロウ
(渡)
「同一ニシテ」デハ足リナイ
(槇村)
アツテモ宜シイ
(南部)
「千十六條ニ定メタル如キモノヲ」トシタラ良カロウ
(松岡)
佛文ヲ譯シタノハ「立ント供陳シタル保證人ハ何々ノ條件ヲ具備セサル可カラス」トアルカラ二ツノモノハ入ラヌノダ
(淸岡)
「同一ナル條件ヲ具フルコトヲ要ス」トスレバ宜シイ
(西)
修正ノ通リデ宜シイ
(松岡)
「同一ニシテ」トシ樣
(渡)
同一ニナラヌ
(栗塚)
「自ラ保證人ヲ立ルトキハ同一ナル保證人ヲ立ルコトヲ要ス」トシテハドウデス
(淸岡)
「同一ニシテ」トシ樣
(南部)
「同一ニシテ」ガ多數ダ
本條第一項「同一ノ條件及ヒ」ヲ「同一ノ條件ニシテ」ト改メ他ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千四十八條朗讀ス
第千四十八條 裁判所ハ法律ヨリ其裁判執行ノ爲メ保證人ヲ立テシムルノ權能ヲ付與セラレタル場合ニ非サレハ其裁判執行ノ爲メ保證人ヲ立ツ可キコトヲ命スルコトヲ得ス
(修正案) 左ノ如ク改ム裁判所ハ法律カ裁判執行ノ爲メ保證人ヲ立テシムルノ權能ヲ付與シタル場合ニ非サレハ之レカ爲メ保證人ヲ立ツ可キコトヲ命スルコトヲ得ス
(栗塚)
「裁判所ハ法律カ裁判執行ノ爲メ保證人ヲ立テシムルノ權能ヲ付與シタル場合ニ非サレハ之カ爲メ保證人ヲ立ツ可キコトヲ命スルコトヲ得ス」トシマシタ
(松岡)
私ハ刪除デ御座イマス、訴訟法デコウ云フ場合ニ保證人ヲ立ルコトガ云フテアルカラ裁判官ガ保證人ヲ立ルト云フノハ入ラヌ
(栗塚)
萬一裁判官ガ勝手ニヤルコトヲ防グナラバ置カナケレバナリマセン
(渡)
一體之ハ構成法カ訴訟法デ制限スレバ宜シイガ民法デ云フノハ所ヲ得ナイ
(北畠)
訴訟法ニ入レバ入ルノダロウ
(栗塚)
訴訟法デモ、場合ニ依テハ云ヘマスガ、コウ云フ原則ヲ揭ゲルコトハ出來マセン
(松岡)
入ラザルコトデス押ヘテナケレバ裁判官ガドンナコトヲスルカ知レヌト云フコトハナイ其レナラ書イテナイモノニハ何ヲシテモ構ハヌカト云フ疑ヒガ起ル
(南部)
裁判上ノ保證ト云フト裁判所カラ勝手ニ命ズル樣ニ解シ易イ
(松岡)
訴訟ト云フモノハ訴ノナイモノハ關シナイノガ原則ダ、抑ヘテ居ラヌ處ヘ勝手ニシ樣カト云フノハ裁判官ヲ子供ニ見ルノダ
(南部)
子供ト見タノデハナイ、法律上ノ保證ト裁判上ノ保證ト區別シテ之ハ裁判上ノダケレドモ法律ガ所々デ權能ヲ與ヘテアルゾヨト云フノダカラ
(松岡)
第一所ヲ失ツテ居ル、第一ニソウ氣遣テ云ヘバ之クライデハナイ未ダ幾ラモアル
(栗塚)
裁判上ノ保證人ハ裁判所カラ命ゼラレタモノダ、裁判上ノ判決ヲ確カメル爲メニ裁判所カラ命ゼラルルモノダ併シナガラ裁判所カラ命ズルト云テモ裁判官ガ必要ダロウゾ、債權者ノ權利ヲ確カメル爲メニ要用ト思テモ裁判所デハ出來ナイゾ、其レハ法律ノ正條デ許シテナケレバ出來ナイ
(松岡)
恐ラク佛蘭西デモ之ガ書イテナクモ裁判官ガ勝手ニスルモノハアルマイ、又日本デハ是レ迄シテ居ルカト云フニ決シテシテ居ラヌ
(栗塚)
裁判所デ職權ヲ以テスルト云フタカラ何時デモ出來ルト思フダロウ
(松岡)
其レハ訴訟法ヲ見ナイ人ナラスルカ知レヌ
(栗塚)
訴訟法デ場合ヲ揭ゲテ居ルノヲ裁判上ノ保證ヲ裁判所デヤル、ヤラヌノコトハ訴訟法デ云フテナイ
(渡)
之ハ置クコトノ權限ヲ制限スルノダカラ
(南部)
裁判所デ立ルノハ裁判上ノ保證デ何時デモ出ルモノデナイト云フノヲ示シタノデス
(松岡)
裁判執行ト云フノハ強制執行カ
(南部)
強制執行バカリデハナイ、命令執行モアル
(松岡)
執行スル保證人ハコウ云フトキハ假リニシナケレバナラヌ、コウ云フ時分ハ申立ルト皆定メテアル、訴訟法ヲ見ナイ人ナラ必要ダロウガ、訴訟法ヲ頭マデ定メテアルニ此處ヘ場合違ヒノモノヲ持テ來ルノハ良クナイ
(栗塚)
裁判上ノ保證ニ特別ナル規則ト云フノダカラ
(渡)
性質ノ異ナルモノヲ持テ來タカラ良クナイ
(南部)
裁判上ノ保證ト云フモノハドウ云フモノカ分ラヌカラ裁判上デ何時デモ命ゼラレルカ、命ゼラレヌトカト云フコトガ必要ダ
(渡)
日本ノ裁判官ガ幼稚ダカラコウシテ置クト云フナラ尙ホ可ナリダガ、民法デハ良クナイ
(栗塚)
併シ訴訟法ハ場合ヲ示シテ居ル丈ケデス
(松岡)
此處デ執行ノ爲メト云ヘバ裁判官ガ法律ニ許シタ場合デナケレバ執行ノ言渡ガ出來ヌゾト云フノト同ジコトダ
(北畠)
註釋ヲ讀ムト二項トモ云フベキ所ニ裁判上ノ保證ノ場合ハ素ヨリ訴訟法ニ記載スベキモノナリトアル
(南部)
急迫損害ハ裁判上ノモノト云ハンヨリ裁判上ノモノダト云フテ居ル
(北畠)
「ボアソナード」ガ道樂ニ入レタノダロウ
(松岡)
訴訟法ノナイ國ナラ必要ダ
(南部)
保證ト執行トハ全ク違フ
(委員長)
削ルノハ少數ダ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千四十九條朗讀ス
第千四十九條 裁判上ノ保證人モ又其引受人モ討索ノ利益ヲ有スルコトヲ得ス〔第二千四十二條、第二千四十三條〕
(修正案) 「又」ヲ「亦」ト改ム
(栗塚)
「又」ハ「亦」トシマス
(村田)
「モ亦」デハ分ラヌ
(松岡)
何モ入ラヌカラ「又」ノ字ヲ削ルガ宜シイ
(栗塚)
何モ入ラヌト云フ論モアリマシタ
(委員長)
「又」ヲ削ルカ
(栗塚)
削リマス
(村田)
詰リ時日ヲ延滯サセナイト云フノダ
本條「又」ノ字ヲ削ルコトニ決ス
第千五十條朗讀ス
第千五十條 法律上ノ保證人及ヒ裁判上ノ保證人ハ其債務者ニ對スル擔保ノ求償ニ關シテハ常ニ債務者ノ代理人ト看做サル
(修正案) 「代理人ト看做サル」トアルヲ「代理人ト之ヲ看做ス」ト改ム
(栗塚)
「代理人ト之ヲ看做ス」ト致シマシタ
(淸岡)
「之ヲ看做ス」ト云フノハ可笑シイ
(松岡)
「代理人ト看做ス」デ宜シイ
(栗塚)
「常ニ之ヲ」トヤリマスカ
(槇村)
「常ニ之ヲ」ガ宜シイ
(村田)
「法律上及ヒ裁判上ノ保證」デ良カロウ
(栗塚)
宜シウ御座イマシヨウ
(松岡)
代理人ハ事務管理ニ對スル方デ深イ方デスカ
(栗塚)
左樣デス
本條ハ左ノ如ク決ス
法律上及ヒ裁判上ノ保證人ハ其債務者ニ對スル擔保ノ求償ニ關シテハ常ニ之ヲ債務者ノ代理ト看做ス
第千五十一條朗讀ス
第二章 債務者ノ間及ヒ債權者ノ間ニ於ケル連帶
前置條例
第千五十一條 目的ニ付テハ單一ナルモ主タル當事者トシテ之ニ關係スル人ニ付テハ複合ナル義務ハ第四百五十八條ニ指示シ且下ノ二節ニ說明スル如ク受方又ハ働方ニテ連帶タルコトヲ得
(修正案) 第二章債務者間及ヒ債權者間ノ連帶「第四百五十八條」ノ上ヲ左ノ如ク改ム義務ノ目的單一ナルモ、主タル當事者トシテ之ニ關係スル人複合ナルトキハ其義務ハ
(栗塚)
「前置條例」ハ「總則」トシマス「債務者間及ヒ債權者間ノ連帶」ト致シマス
(松岡)
受方働方ハ前ニモ在リマスカ
(栗塚)
地役ノ所ニモアリマス此處モ止メ度イト思ヒマシタガ、再調査ノトキニ此會デ刪リマシタガ、此處等ハ「債務者間ノ連帶及ヒ債權者間ノ連帶」デ宜シイノデス
(淸岡)
「複合」ハアリマシタカ
(栗塚)
連帶義務ノ所ニ在リマス
(松岡)
受方働方ハ後チ々々迄受ケモセヌ樣ダガ「債務者間ノ連帶、債權者間ノ連帶」トシテハドウダロウ
(栗塚)
一ツ遺シテ置ク丈ケニシタノデス、此字ヲ置クト云フノハ英斷デス
(村田)
其方ガ宜シイ
(委員長)
コウ云フ字ハ法律文ニナツテ居ル字ダカラ用心シナイト、此處デ刪ツテモ外ニ現在「受方ノ義務」トカ「働方ノ義務」トアルト其時困ルカラ
(栗塚)
其レハ我々モ一ツ置ケバ良カロウト思ヒマシタ
(淸岡)
種々ノモノヲ出シテ置ク方ガ宜シイ
(栗塚)
馴レルト「受方ノ連帶」ト云フ方ガ分ルカ知レマセン
(委員長)
一ケ所書イテ後ハ云ハヌデ宜シイ
(南部)
五十二條ニ在リマス
(栗塚)
學者ノ資格デ書ケバ「債務者間」ト云フヨリ「受方」ト云フ方ガ宜シウ御座イマシヨウ
(槇村)
第二章ノ一條ノ樣ナ書キ方ニハ出來マセンカ
(栗塚)
出來マス
(槇村)
ソウスレバ彼方ヲ換ヘタ方ガ宜シウ
(南部)
五十二條ニ在ルカラ宜シウ御座イマシヨウ
(委員長)
一ケ所丈ケ置キマシヨウ、四百五十八條ハ七條ノ間違ヒダロウ
(松岡)
八條ノ末デ御座イマス
(委員長)
先キヘ行キマシヨウ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千五十二條朗讀ス
第一節 受方ノ卽チ債務者ノ間ニ於ケル連帶
第一款 受方連帶ノ本性及ヒ原由
第千五十二條 受方ノ卽チ共同債務者ノ間ニ於ケル連帶ハ共同債務者ヲシテ其共通ノ利益ニ於ケルト債權者ノ利益ニ於ケルトヲ問ハス相互ニ代人タラシム
其連帶ハ當事者間ノ合意又ハ遺囑又ハ法律ノ條例ヨリ生スルコトヲ得連帶ハ推定セラレス總テノ場合ニ於テ明示ニテ之ヲ定ムルコトヲ要ス伹不可分ニ關シ第千九十一條ニ記シタルモノハ此限ニ在ラス〔第千二百二條〕
(修正案) 第一節左ノ如ク改ム債務者間ノ連帶第一款「受方」ヲ「債務者間ノ」ト改ム第一項「連帶」ノ上ヲ「受方連帶卽チ共同債務者間ノ」ト改ム第二項左ノ如ク改ム其連帶ハ合意、遺囑又ハ法律ノ規定ヨリ生スルコトヲ得第三項「連帶ハ推定セラレス」ヲ「連帶ハ之ヲ推定セス」ト改ム
(栗塚)
一節ハ「債務者間ノ連帶」第一款ヲ「債務者間ノ連帶ノ本性及ヒ原由」ト致シマス千五十二條ハ「受方連帶卽チ共同債務者間ノ」ト致シマス二項ハ「其連帶ハ合意、遺囑又ハ法律ノ規定ヨリ生スルコトヲ得」ト致シマス三項ハ「連帶ハ之ヲ推定セス」ト致シマス
(槇村)
「生スルコトアリ」デハナイカ
(委員長)
得ルト云フコトハ一定ニハ出來ナイカ
(栗塚)
得ルト云フテアル所ト權能ヲ示シタ所ガアリマスカラソウハ出來マセン、昨日モ「宣吿セラルルコトアリ」ト致シマシタ是處等ハ「アリ」ノ意味デス
(槇村)
「アリ」トシテハ如何カ
(松岡)
云ヒ詰レバ「生ス」デ宜シイノダ
(南部)
「アリ」ナラ宜シイガ「ス」デハ良クナイ
(松岡)
合意ニハ明示默示ガアルガ、之ニ限ツテハ明示デナケレバイケヌカ
(栗塚)
イケマスマイ
(松岡)
效力ハ同ジコトダロウ
(栗塚)
效力ハ生ゼヌ
(委員長)
良ケレバ先キヘ行キマシヨウ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千五十三條朗讀ス
第千五十三條 數多ノ債務者ノ連帶義務ハ同一ノ證書ヲ以テ負擔セラレ又同一ノ時ニ於テ負擔セラレ又同一ノ場所ニ於テ負擔セラルヽコトヲ要セス伹義務ハ目的及ヒ原由カ同一ナルコトヲ要ス
連帶債務者ハ亦異別及ヒ不均ノ態樣又ハ負擔ヲ以テ責ニ任スルコトヲ得〔第千二百一條〕
(修正案) 第一項第二項左ノ如ク改ム數多ノ債務者ノ連帶義務ハ同一ノ行爲ヲ以テ又同一ノ時ニ於テ又同一ノ場所ニ於テ負擔セラルルコトヲ要セス但其義務ノ目的及ヒ原由ハ同一ナルコトヲ要ス「亦」ノ一字ヲ刪リ冒頭ニ「又」ノ一字ヲ置ク
(栗塚)
「證書」ハ「行爲」ト翻譯デ改メマス「同一ノ行爲ヲ以テ又同一ノ時ニ於テ又同一ノ場所ニ於テ負擔セラルルコトヲ要セス但其義務ノ目的及ヒ原由ハ同一ナルコトヲ要ス」ト致シマス
(松岡)
入ラヌ樣ダ
(栗塚)
末項ハ「亦」ヲ削ツテ「又連帶債務者」ト致シマシタ
(松岡)
異別ノ態樣、不均ノ態樣デスカ
(栗塚)
異別ノ態樣負擔不均ノ態樣負擔デス
(村田)
「異別ナル」デ良カロウ
(栗塚)
異別丈ケニシマシヨウカ、期限ノ付イテ居ルト居ラヌノガ異別デ期限ガ一ツハ長ク一ツハ短クト云フノガ不均ト云フノハ六ケ敷イデシヨウ
(松岡)
分ラヌトシテ置クカ
(栗塚)
契約編ヲ見ルト態樣ガ分ルダロウト思ヒマス
(委員長)
前ニ使ツテアリマスカ
(栗塚)
使ツテアリマス
(松岡)
佛蘭西ハ事柄デ分ケテ居ル
(淸岡)
辨濟ノ義務ヲ負ウタトキト雖モ連帶ナルコトヲ得ト云フノガ宜シイノデ、此方ハ此方デ連帶者ガ出シテ居ルカラ分ラヌ
(栗塚)
其レダカラ二項ニ出シテアリマス目的ト原由サヘ同一ナレバ連帶ニナレルゾヨト云フノデ御座イマスカラ
(委員長)
態樣ハ「仕方」トカ何トカスレバ宜シイ
(松岡)
目的ガ一ツデ原由ガ違ツテモ明示デ連帶シマスルト云フタラドウダロウ
(栗塚)
ソレハイケマセン、連帶ノ規則ヲ適用スルト云フコトハ出來マセン
(松岡)
連帶ト云フコトヲ書イテ置イタラドウダロウ
(栗塚)
書イテアツテモ之ヲ援用スルコトガアリマシヨウケレドモ當テ嵌メルコトハ出來マスマイ
(松岡)
ソンナコトハナイ
(栗塚)
具ハツテ始メテ連帶債務者ト云フノデ、其レヲ缺イテ連帶債務者ト云フコトハ出來マセン
(松岡)
ドウ云フ譯ダロウ
(栗塚)
連帶ト云フモノニ缺クベカラザルモノト缺イテモ良イモノトアル
(松岡)
其レハ何カ必要ダト云フト明示サヘアレバ宜シイト云フテ置クコトハ出來ヌカ知ラヌ、此樣ニ書イテ置クト明示デモイケナイ
(委員長)
先キヘ行キマシヨウ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千五十四條朗讀ス
第二款 受方連帶ノ效力
第千五十四條 數名ノ連帶債務者アル債權者ハ其訴追セント擇ミタル債務者ニ對シ其債務者カ唯一人ノ債務者タル如ク且其債務者ヨリ討索ノ利益ヲモ又分割ノ利益ヲモ對抗セラルヽコト無ク義務全部ノ履行ヲ要求スルコトヲ得〔第千二百條、第千二百三條〕
又債權者ハ皆濟ヲ受クルニ至ルマテ同時又ハ順次ニ總テノ債務者ヲ訴追スルコトヲ得〔第千二百四條〕
(修正案) 第二款「受方」ヲ「債務者間ノ」ト改ム第一項「對シ」ノ下「其債務者カ」ノ五字ヲ刪リ「債務者タル如ク」ヲ「債務者ニ於ケル如ク」ト改メ「討索ノ利益ヲモ又分割ノ利益ヲモ」ヲ「討索又ハ分割ノ利益ヲ」ト改ム
(栗塚)
「債務者間ノ連帶ノ效力」トヤリマシタ、其レカラ「債務者ニ對シ唯一人ノ債務者ニ於ケル如ク」ト致シマシタ其レカラ「討索又ハ分割ノ利益ヲ對抗セラルルコト無ク」ト致シマス
(委員長)
日本ノハ恰度反對ニナツテ居ル
(南部)
討索バカリデナク是非一所ニ行カナケレバナリマセン
(委員長)
今デハ五人ノ内一人缺ケテ居テモイカヌ
(松岡)
行方ガ知レナケレバヤリマセン
(南部)
三十六ケ月待タナケレバナラヌ
(委員長)
先キヘ行キマシヨウ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千五十五條朗讀ス
第千五十五條 各債務者ハ訴ヘラレタルト否トヲ問ハス連帶債務全部ノ辨濟ヲ受クルコトニ債權者ヲ強要スルコトヲ得〔第千二百三十六條第一項〕
(村田)
之ハ辨濟期限ガ無クテモ行クノデスナ
(南部)
債權者ノ利益ノ爲メニサレテナイモノナラバ
(委員長)
コウ云フ債務者ガ居レバ結構ダ
本條ハ原案ニ決ス
第千五十六條朗讀ス
第千五十六條 連帶債務者カ債務ノ全部又ハ債務ニ於ケル自己ノ部分ヨリ多クニ付キ訴ヘラレタルトキハ其共同債務者ヲ訴訟ニ召喚シ且附帶ノ擔保方法ヲ以テ共同答辯又ハ辨濟ニ於ケル分擔ヲ得ル爲メ必要ナル期間ヲ請求スルコトヲ得〔第千二百二十五條〕
共同債務者ハ亦其利益保護ノ爲メ任意ニ自費ヲ以テ訴訟ニ參カルコトヲ得〔佛訴第百七十五條以下〕
(修正案) 第一項「訴ヘラレタル」以下左ノ如ク改ム訴ヘラレタルトキハ共同債務者ヲ訴訟ニ召喚シ且附帶ノ擔保方法ヲ以テ其債務者ヲシテ答辯又ハ辨濟ヲ分擔セシムル爲メ必要ナル期間ヲ請求スルコトヲ得第二項「參カルコトヲ得」ヲ「參加スルコトヲ得」ト改ム
(栗塚)
「其共同債務者」ノ「其」ヲ削リマシテ「且附帶ノ擔保方法ヲ以テ其債務者ヲシテ答辯又ハ辨濟ヲ分擔セシムル爲メ」ト致シマス二項ハ「參加スルコトヲ得」ト改メマシタ
(委員長)
其債務者ヲシテト云フコトハ前ニ共同債務者トアルカラ宜カロウカ
(栗塚)
其レデ昨日前ヘ入レマシタ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千五十七條朗讀ス
第千五十七條 連帶債務ノ履行ニ付キ訴ヘラレタル各債務者ハ自己ノ權利ヲ以テスルト其共同債務者ノ權利ヲ以テスルトヲ問ハス義務ノ組成又ハ消滅ヨリ生スル抗辯卽チ答辯方法ニ全部ニ付キ債權者ニ對抗スルコトヲ得〔第二百八條第一項、第千二百八十一條〕
右ノ外更改、釋放、相殺及ヒ混同ニ關シテハ第五百二十三條、第五百二十八條、第五百三十一條第五百四十三條及ヒ第五百五十七條ヲ遵守ス〔第千二百九條、第千二百八十一條、第千二百八十四條、第千二百八十五條、第千二百九十四條第四號第千三百一條第三項〕
(修正案) 第一項「抗辯卽チ」ノ四字ヲ刪リ「全部」ノ上ニ「債務ノ」ノ三字ヲ加フ第二項「遵守ス」ヲ「適用ス」ト改ム
(栗塚)
一項ハ「抗辯卽チ」ヲ削リマシタ次ギノ條ニモ「瑕疵ニ基キタル答辯方法」トアリマスカラ「答辯方法」ノ下ヲ「債務ノ全部ニ付キ」ト致シマス
(村田)
之ハ「適用ス」デ宜シウ御座イマシヨウカ
(松岡)
此間「遵守」ヲ置イタネ
(村田)
アルカラ「遵守」ガ宜シイ
(南部)
併シ反シト云フ所デハイ
(栗塚)
意味ガアツテ「遵守」ヲ「適用」ト改メタノデハアリマセン
(委員長)
更改、釋放、相殺、混同ハ是レ丈ケノ條カ知ラヌ
(栗塚)
連帶債務者ニ關シタ丈ケデス
(村田)
更改、釋放、混同ハ「債務ノ」ト云フ字ハアリマセンカ
(栗塚)
其意味デス
(村田)
「債務ノ更改、釋放、混同」トシテハドウダロウ
(南部)
「右ノ外」トアルカラ債務ト云フコトハ分ツテ居ル
(栗塚)
遵守ハ如何デス
(渡)
適用ノ字ダ
(委員長)
「適用」トヤリマスカ「適用」ト云フ場合ト「遵守」ト云フ場合ガアリハセヌカ
(栗塚)
其レモ考ヘマスガ何モナイ樣デス、人カラデハ少シ違ウ樣デスケレドモ裁判上ハ適用デス
(南部)
別ノ所ヘ事柄ヲ當テ篏メルトキハ適用デ、其儘當テ篏メルノガ遵守ト云フノデハナイカ
(栗塚)
裁判所ガ適用スル
(南部)
連帶ニ適用スルト云フノデナイ、連帶ニ準用スルト云フノダ
(西)
其レデハ「遵守」トシマシヨウ
本條第二項「遵守ス」ハ原案ノ儘トシ他ハ報吿委員ノ修正ニ決ス
第千五十八條朗讀ス
第千五十八條 債務者ノ一人ノ無能力又ハ承諾ノ瑕疵ニ基キタル答辯方法ハ其一人ノ債務者自身ニ非サレハ之ヲ援唱スルコトヲ得ス然レトモ右ノ答辯方法カ一旦認許セラレタル上ハ他ノ債務者カ義務ヲ負擔スルニ當リ義務履行ニ付テノ無能力者又ハ承諾ニ瑕疵アル者ノ分擔ヲ期スルコト有リタルトキハ其答辯方法ハ債務ニ於ケル其者ノ部分ニ付キ他ノ債務者ヲ利ス〔第千二百八條第二項〕
(修正案) 左ノ如ク改ム債務者ノ一人ノ無能力又ハ承諾ノ瑕疵ニ基キタル答辯方法ハ其人自身ニ非サレハ之ヲ援唱スルコトヲ得ス然レトモ右ノ答辯ノ方法カ一旦認許セラレタル上ハ債務ニ於ル其者ノ部分ニ付キ他ノ債務者ヲ利ス但他ノ債務者カ契約ノ當時義務履行ニ付テノ其者ノ分擔ヲ期スルコト有リタルトキニ限ル
(栗塚)
此儘デハ分リマセンカラ修正ヲ加ヘマシタ
(松岡)
「分擔ヲ期スルコト有リタルトキ」ト云フト其人ニ限リテデナク總テ分擔スルト云フ内約デモアツタト云フコトダロウカ
(栗塚)
彼ノ人ハ幼年者デアルケレドモ屹度分擔スルダロウト思ツテ心ニ期シテ居ルノデス
(村田)
見積ツテ居ルト云フコトデス
(委員長)
「期スル」ト云フ字ハ分ラヌ
(西)
初メカラ負擔ガ出來ヌト思ヘバ脊負ハナケレバナラヌ
(委員長)
「豫想シテ」トカ「豫期シテ」ト云ヘバ分カル
(槇村)
契約ノ當時ト云フノハ惡ルイ
(栗塚)
「義務ヲ負擔スルニ當リ」デハ尙ホ分リマセン
(委員長)
但デ分ル樣ニナツタガ唯「期スル」ガ分ラヌ
(栗塚)
「豫期」ト云フ意味デス
(村田)
目算ト云フコトダ
(渡)
「豫期」ガ宜シイ
(委員長)
良ケレバ「豫期」トシマシヨウ
(渡)
契約ノ當時ト云フノハ意味ガ強イト思フ
(南部)
「契約ノ際」カ
(淸岡)
「付テノ」ヲ「付キ」トシ度イ
(栗塚)
ソレデハ「契約ノ際義務履行ニ付キ」ト致シマシヨウ
(委員長)
先キヘ行キマシヨウ
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決シ但書ハ左ノ如ク決ス
但他ノ債務者カ契約ノ際義務履行ニ付キ其者ノ分擔ヲ豫期スルコト有リタルトキニ限ル
第千五十九條朗讀ス
第千五十九條 前二條ニ規定シタル種々ノ事項ニ付キ債權者ト債務者ノ一人トノ間ニ爲サレタル判決、自白及ヒ裁判外ノ宣誓又ハ其拒絕ハ他ノ債務者ノ損害又ハ其利益ニ於テ前二條ニ等シキ限度及ヒ區別ヲ以テ其效力ヲ生ス〔第千三百六十五條第四項及ヒ第五項〕
(修正案) 「損害又ハ其利益ニ於テ」ヲ「利害ニ於テ」ト改ム
(栗塚)
裁判外ノ宣誓拒絕ハ證據編デ定メマスカラ其レ迄御預リニシマス、其レカラ「債務者ノ損害又ハ其利益ニ於ニア」ト云フノハ先キニ「利害」ト直シタ例ガアリマスカラ改メマス
(委員長)
債務者ノ一人トノ間カネ、他人トノ間デハ行カヌカネ
(栗塚)
一人又ハ數人デス
(松岡)
後チニ「他ノ」ト出ルカラ「一人」ト云フノヲ削ツテハ如何ト云フ論ヲ出シマシタガ一人ハ他人ヲ兼ルト云フコトデ御座イマシタ
(栗塚)
債務者中ノ一人ハ二人カ三人カ分リマセンガ、他ノ債務者殘ラズデナイコトガ分レバ宜シイ
(委員長)
ソウスレバ「一人」ハ無ケレバ良カロウ
(栗塚)
「債務者」ト云フト債務者殘ラズトナリマス、三人債務者ガアレバ私ガ貴君ニ金ヲ借リテ自白ヲスレバ他ノ人ガ出ナケレバイケヌデス
(委員長)
「或ル者」トカ何トカシタラ宜カロウ
(松岡)
ソウ見タラ良カロウト思ヒマス
(南部)
四十一條ハ「一人」トアル其次ギハ「一人又ハ數人」トアリマス
(委員長)
債務者ノ二人トヤツテハイケナイ、一人デナケレバナラヌ樣ニナル之ハ再調査ノ報吿委員ト相談シテ直スガ宜シイ
(栗塚)
理窟デハ一人ニモ效ガアレバ二人ニモ三人ニモ效ガアル樣ニナリマス
(委員長)
若シ其レガ二人デモ三人デモト云フ意味ナレバ「或ル人」ト書カヌト良クナイ
(栗塚)
「債務者ノ一人」ト云ツタノハ一人限リノ意味デ一人ト書イタノデハアリマセン、昨日モ其論ガ出マシタガ、一人ト書イテアツテ一人限リト見ヘル文章ト或ル人ト云フノトハ書キ分ケテアル樣デス
(委員長)
一人限リノトキハ「一人」トシテ或ル人ノトキハ「或ル人」ト書クガ宜シイ
(槇村)
千三十四條ニハ「一人又ハ數人」トアリマス
(栗塚)
尙ホ報吿委員デ相談致シマシヨウ
(委員長)
原文ハ「一人」ト復稱デ書イテアルカラ分ルガ、日本文デハ「一人」ト云フト一人外見ヘナイ
(栗塚)
「數債務者ノ一人ト」デ御座イマス
(委員長)
「債務中ノ或ル人」ト書ケバ宜シイ、何ヤラニ在ツタ
(南部)
商法ニアリマシタガ、一ト云フ字ハ「或ル」ト讀ミマス
(委員長)
貴君ハソウ云フテモ他人ハ讀マヌ
(栗塚)
報吿委員デ「或人」ト直セルカ、直セヌカ相談致シマス
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決シ「債務中ノ一人」ハ「債務者中ノ或人」ト改ムルノ旨意ニテ尙ホ報吿委員ニ於テ調査スルコトニ決ス
第千六十條朗讀ス
第千六十條 一人ノ債務者ノ他ノ債務者ニ對スル連帶ノ成立ノミニ關シテ爲サレタル判決、自白及ヒ裁判外ノ宣誓又ハ其拒絕ハ他ノ債務者ノ一ヲ害セス又之ヲ利セス
(修正案) 「判決」ノ上ヲ左ノ如ク改ム「一人ノ債務者ノ他ノ債務者ニ於ル連帶ノ成立ノミニ關シテ其一人ト債權者トノ間ニ爲サレタル」ト改メ「債務者ノ一」ヲ「債務者ヲ」ト改ム
(栗塚)
「拒絕」ハ債務者デ宜シイノデス「對スル」ヲ「於ケル」ト致シマス「關シテ其一人ト債權者トノ間ニ爲サレタル」ト致シマス
(村田)
「成立不成立ノミニ關シテ」ト英文ニ在ル
(栗塚)
其意味デス
(松岡)
自白デ一人ノ債權者ガ自ラソウダト云ハレタトキハ害スル譯ニナル三人ガ二人ニナルト、二人ガ脊負ハナケレバナラヌ
(栗塚)
村田サンガ我々三人ニ貸シテ栗塚ダケガ連帶デナイト仰シヤツテ下サレタ、ソウスルト松岡サン南部サンニ效力ガアルカト云フト效力ガナイ、又裁判所デ判決シテ私ト村田サンノ間ニソウ云フ判決ガアツタトキニ其レハ南部サンニソンナ判決ガアツタカ知ラヌガ私ハ知リマセン、御前ト私ト是レカラ喧嘩ヲシ樣ト云フ
(委員長)
今日ハ是レ迄ニシテ置キマス
本條ハ報吿委員ノ修正ニ決ス