明治民法(明治29・31年)

民再整理案 (明治三十年十二月十六日配付)

参考原資料

第七百九十四条 外国人カ夫ノ本国ノ法定財産制ニ異ナリタル契約ヲ為シタル場合ニ於テ婚姻ノ後日本ノ国籍ヲ取得シ又ハ日本ニ住所ヲ定メタルトキハ一年内ニ其契約ヲ登記スルニ非サレハ日本ニ於テハ之ヲ以テ夫婦ノ承継人及ヒ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス 第八百十二条(旧八百十四条) 夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得 一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ 二 妻カ奸通ヲ為シタルトキ 三 夫カ奸淫罪ニ因リテ刑ニ処セラレタルトキ 四 配偶者カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ 五 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ 六 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ 七 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ 八 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待ヲ為シ又ハ之ニ重大ナル侮辱ヲ加ヘタルトキ 九 配偶者ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ 十 婿養子縁組ニ於テ離縁アリタルトキ又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁アリタル若クハ縁組ノ取消アリタルトキ 第八百八十三条(旧八百八十六条) 親権ヲ行フ母カ未成年ノ子ニ代ハリテ左ニ掲ケタル行為ヲ為シ又ハ子ノ之ヲ為スコトニ同意スルニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス 一 営業ヲ為スコト 二 借財又ハ保証ヲ為スコト 三 不動産又ハ重要ナル動産ニ関スル権利ノ喪失ヲ目的トスル行為ヲ為スコト 四 不動産又ハ重要ナル動産ニ関スル和解又ハ仲裁契約ヲ為スコト 五 相続ヲ放棄スルコト 六 贈与又ハ遺贈ヲ拒絶スルコト 第八百九十一条(旧八百九十四条) 親権ヲ行ヒタル父若クハ母又ハ親族会員ト其子トノ間ニ財産ノ管理ニ付テ生シタル債権ハ其管理権消滅ノ時ヨリ五年間之ヲ行ハサルトキハ時効ニ因リテ消滅ス 前項ノ期間ハ子カ未タ成年ニ達セサル間ニ管理権カ消滅シタルトキハ其子カ成年ニ達シ又ハ後任ノ法定代理人カ就職シタル時ヨリ之ヲ起算ス 第九百六条(旧九百九条) 前七条ノ規定ハ保佐人ニ之ヲ準用ス 保佐人又ハ其代表スル者ト準禁治産者トノ利益相反スル行為ニ付テハ保佐人ハ臨時保佐人ノ選任ヲ親族会ニ請求スルコトヲ要ス <!-- 第七百九十三条(旧七百九十六条)ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ 第七百九十四条 外国人カ夫ノ本国ノ法定財産制ニ異ナリタル契約ヲ為シタル場合ニ於テ婚姻ノ後日本ノ国籍ヲ取得シ又ハ日本ニ住所ヲ定メタルトキハ一年内ニ其契約ヲ登記スルニ非サレハ日本ニ於テハ之ヲ以テ夫婦ノ承継人及ヒ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス 第八百十二条(旧八百十四条)ヲ左ノ如ク改ム  夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得  一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ  二 妻カ奸通ヲ為シタルトキ  三 夫カ奸淫罪ニ因リテ刑ニ処セラレタルトキ  四 配偶者カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ  五 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ  六 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ  七 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ  八 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待ヲ為シ又ハ之ニ重大ナル侮辱ヲ加ヘタルトキ  九 配偶者ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ  十 婿養子縁組ニ於テ離縁アリタルトキ又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁アリタル若クハ縁組ノ取消アリタルトキ 第八百八十三条(旧八百八十六条)ヲ左ノ如ク改ム  親権ヲ行フ母カ未成年ノ子ニ代ハリテ左ニ掲ケタル行為ヲ為シ又ハ子ノ之ヲ為スコトニ同意スルニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス  一 営業ヲ為スコト  二 借財又ハ保証ヲ為スコト  三 不動産又ハ重要ナル動産ニ関スル権利ノ喪失ヲ目的トスル行為ヲ為スコト  四 不動産又ハ重要ナル動産ニ関スル和解又ハ仲裁契約ヲ為スコト  五 相続ヲ放棄スルコト  六 贈与又ハ遺贈ヲ拒絶スルコト 第八百九十一条(旧八百九十四条)第一項中「父又ハ母」ヲ「父若クハ母又ハ親族会員」ト改ム 第九百六条(旧九百九条)ヲ左ノ如ク改ム  前七条ノ規定ハ保佐人ニ之ヲ準用ス  保佐人又ハ其代表スル者ト準禁治産者トノ利益相反スル行為ニ付テハ保佐人ハ臨時保佐人ノ選任ヲ親族会ニ請求スルコトヲ要ス -->