第七百四十一条(旧第七百三十八条) 婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入リタル者カ更ニ婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入ラント欲スルトキハ婚家若クハ養家及ヒ実家ノ戸主ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ同意ヲ為ササリシ戸主ハ婚姻又ハ養子縁組ノ日ヨリ一年内ニ予メ復籍ヲ拒ムコトヲ得
第七百四十八条(旧第七百四十六条) 家族カ自己ノ名ニ於テ得タル財産ハ其特有財産トス
戸主又ハ家族ノ孰レニ属スルカ判然セサル財産ハ戸主ノ財産ト推定ス
第七百七十一条(旧第七百七十三条) 子カ婚姻ヲ為スニハ其家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但男ハ満三十年女ハ満二十五年ニ達シタル後ハ此限ニ在ラス
父母ノ一方カ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ其意思ヲ表示スルコト能ハサルトキハ他ノ一方ノ同意ノミヲ以テ足ル
父母共ニ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ其意思ヲ表示スルコト能ハサルトキハ未成年者ハ其後見人及ヒ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第七百七十三条 禁治産者カ婚姻ヲ為スニハ其後見人ノ同意ヲ得ルコトヲ要セス
第七百七十四条(旧第七百七十五条) 婚姻ハ之ヲ戸籍吏ニ届出ツルニ因リテ其効力ヲ生ス
前項ノ届出ハ当事者双方及ヒ成年ノ証人二人以上ヨリ口頭ニテ又ハ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
第七百七十五条(旧第七百七十六条) 戸籍吏ハ婚姻カ第七百四十一条第一項、第七百四十四条、第七百五十条第一項、第七百五十四条第一項、第七百六十四条乃至第七百七十二条及ヒ前条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ其届出ヲ受理スルコトヲ得ス但婚姻カ第七百四十一条第一項又ハ第七百五十条第一項ノ規定ニ違反スル場合ニ於テ戸籍吏カ注意ヲ為シタルニ拘ハラス当事者カ其届出ヲ為サント欲スルトキハ此限ニ在ラス
第七百八十一条(旧第七百八十二条) 第七百六十四条乃至第七百七十条ノ規定ニ違反シタル婚姻ハ各当事者、其戸主、親族又ハ検事ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但検事ハ当事者ノ一方カ死亡シタル後ハ之ヲ請求スルコトヲ得ス
第七百六十五条乃至第七百六十七条ノ規定ニ違反シタル婚姻ニ付テハ当事者ノ配遇者又ハ前配偶者モ亦其取消ヲ請求スルコトヲ得
第七百八十五条(旧第七百八十六条) 前条ノ取消権ハ左ノ場合ニ於テ消滅ス
一 同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者カ婚姻アリタルコトヲ知リタル後又ハ詐欺ヲ発見シ若クハ強迫ヲ免レタル後六个月ヲ経過シタルトキ
二 同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者カ追認ヲ為シタルトキ
三 婚姻届出ノ日ヨリ二年ヲ経過シタルトキ
第七百八十七条 婿養子縁組ノ場合ニ於テハ各当事者ハ縁組ノ無効又ハ取消ヲ理由トシテ婚姻ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但縁組ノ無効又ハ取消ノ請求ニ附帯シテ婚姻ノ取消ヲ請求スルコトヲ妨ケス
前項ノ取消権ハ当事者カ縁組ノ無効ナルコト又ハ其取消アリタルコトヲ知リタル後三个月ヲ経過シ又ハ其取消権ヲ放棄シタルトキハ消滅ス
第八百条 夫又ハ女戸主ハ用方ニ従ヒ其配偶者ノ財産ノ使用及ヒ収益ヲ為ス権利ヲ有ス
夫又ハ女戸主ハ其配偶者ノ財産ノ果実中ヨリ其債務ノ利息ヲ払フコトヲ要ス
第八百四条 夫カ妻ノ財産ヲ管理スル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ妻ノ請求ニ因リテ夫ヲシテ其財産ノ管理及ヒ返還ニ付キ相当ノ担保ヲ供セシムルコトヲ得
第八百十一条 第七百七十三条及ヒ第七百七十四条ノ規定ハ協議上ノ離婚ニ之ヲ準用ス
第八百十二条 戸籍吏ハ協議ノ真実ナルコト及ヒ前二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ離婚ノ届出ヲ受理スルコトヲ得ス
戸籍吏カ前項ノ規定ニ違反シテ届出ヲ受理シタルトキト雖モ離婚ハ之カ為メニ其効力ヲ妨ケラルルコトナシ
第八百十四条 夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ
二 妻カ奸通ヲ為シタルトキ
三 夫カ奸淫罪ニ因リテ刑ニ処セラレタルトキ
四 配偶者カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
六 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
七 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
八 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ為シタルトキ
九 配偶者カ三年以上心神ヲ喪失シ本心ニ復スル望ナキトキ
十 配偶者ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
十一 婿養子縁組ノ場合又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁アリタルトキ
第八百十八条 第八百十四条第十一号ノ場合ニ於テ離縁ノ請求アリタルトキハ之ニ附帯シテ離婚ノ請求ヲ為スコトヲ得
第八百十四条第十一号ノ事由ニ因ル離婚ノ訴ハ当事者カ離縁アリタルコトヲ知リタル後三个月ヲ経過シ又ハ離婚請求ノ権利ヲ放棄シタルトキハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
旧第八百十八条
削除
旧第八百十九条
削除
第八百二十条(旧第八百二十一条) 妻カ婚姻中ニ懐胎シタル子ハ夫ノ子ト推定ス
婚姻成立ノ日ヨリ二百日後又ハ婚姻ノ解消若クハ取消ノ日ヨリ三百日内ニ生レタル子ハ婚姻中ニ懐胎シタルモノト推定ス
旧第八百二十五条
削除
第八百二十四条 夫カ子ノ出生後ニ於テ其嫡出子タルコトヲ承認シタルトキハ其否認権ヲ失フ
前項ノ承認ヲ為スニハ夫カ無能力者ナルトキト雖モ其法定代理人ノ同意ヲ得ルコトヲ要セス
旧第八百二十六条
削除
旧第八百二十九条
削除
第八百二十九条(旧第八百三十三条) 私生子ノ認知ハ戸籍吏ニ届出ツルニ依リテ之ヲ為ス
認知ハ遺言ニ依リテモ亦之ヲ為スコトヲ得
第八百三十二条 認知ハ出生ノ時ニ遡リテ其効力ヲ生ス但第三者カ既ニ取得シタル権利ヲ害スルコトヲ得ス
第八百三十三条(旧第八百三十六条) 認知ハ之ヲ取消スコトヲ得ス
第八百三十九条(旧第八百四十三条) 法定ノ推定家督相続人タル男子アル者ハ男子ヲ養子ト為スコトヲ得ス但女婿ト為ス為メニスル場合ハ此限ニ在ラス
旧第八百四十七条
削除
第八百四十三条 養子ト為ルヘキ者カ十五年未満ナルトキハ其家ニ在ル父母之ニ代ハリテ縁組ノ承諾ヲ為スコトヲ得
継父母又ハ嫡母カ前項ノ承諾ヲ為スニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第八百四十四条 成年ノ子カ養子ヲ為シ又ハ満十五年以上ノ子カ養子ト為ルニハ其家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第八百四十五条 縁組又ハ婚姻ニ因リテ他家ニ入リタル者カ更ニ養子トシテ他家ニ入ラント欲スルトキハ実家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但妻カ夫ニ随ヒテ他家ニ入ル場合ハ此限ニ在ラス
第八百四十六条 第七百七十一条第二項及ヒ第三項ノ規定ハ前三条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七百七十二条ノ規定ハ前二条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百四十七条 第七百七十三条及ヒ第七百七十四条ノ規定ハ縁組ニ之ヲ準用ス
第八百四十八条 養子ヲ為サント欲スル者ハ遺言ヲ以テ其意思ヲ表示スルコトヲ得此場合ニ於テハ養子ト為ルヘキ者又ハ第八百四十三条ノ規定ニ依リ之ニ代ハリテ承諾ヲ為シタル者及ヒ成年ノ証人二人以上ヨリ遅滞ナク縁組ノ届出ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ届出ハ養親ノ死亡ノ時ニ遡リテ其効力ヲ生ス
第八百四十九条 戸籍吏ハ縁組カ第七百四十一条第一項、第七百四十四条、第七百五十四条第一項及ヒ前十二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ其届出ヲ受理スルコトヲ得ス
第七百七十五条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百五十五条(旧第八百五十九条) 第八百三十八条又ハ第八百三十九条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ各当事者、其戸主又ハ親族ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
第八百五十六条(旧第八百六十条) 第八百四十条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ養子又ハ其実方ノ親族ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但管理ノ計算カ終ハリタル後養子カ追認ヲ為シ又ハ六个月ヲ経過シタルトキハ此限ニ在ラス
追認ハ養子カ成年ニ達シ又ハ能力ヲ回復シタル後ニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス
養子カ成年ニ達セス又ハ能力ヲ回復セサル間ニ管理ノ計算カ終ハリタル場合ニ於テハ第一項但書ノ期間ハ養子カ成年ニ達シ又ハ能力ヲ回復シタル時ヨリ之ヲ起算ス
旧第八百六十二条
削除
第八百五十八条 第八百四十四条乃至第八百四十六条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得同意カ詐欺又ハ強迫ニ因リタルトキ亦同シ
第七百八十五条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百六十五条(旧第八百七十一条) 第七百七十三条及ヒ第七百七十四条ノ規定ハ協議上ノ離縁ニ之ヲ準用ス
戸籍吏ハ協議ノ真実ナルコト及ヒ前二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ離縁ノ届出ヲ受理スルコトヲ得ス
第八百十二条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百六十六条 縁組ノ当事者ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
一 他ノ一方ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
二 他ノ一方ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
三 養親ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
四 他ノ一方カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 養子ニ家名ヲ涜シ又ハ家産ヲ傾クヘキ重大ナル過失アリタルトキ
六 養子カ逃亡シテ三年以上復帰セサルトキ
七 養子ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
八 他ノ一方カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ為シタルトキ
九 婿養子縁組ノ場合又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離婚アリタルトキ
第八百六十七条 養子カ満十五年ニ達セサル間ハ其縁組ニ付キ承諾権ヲ有スル者ヨリ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第八百四十三条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百六十八条 第八百六十六条第一号乃至第六号ノ場合ニ於テ当事者ノ一方カ他ノ一方又ハ其直系尊属ノ行為ヲ宥恕シタルトキハ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百六十九条 第八百六十六条第四号ノ場合ニ於テ当事者ノ一方カ他ノ一方ノ行為ニ同意シタルトキハ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百六十六条第四号ニ掲ケタル刑ニ処セラレタル者ハ他ノ一方ノ処刑ヲ理由トシテ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百七十条 第八百六十六条第一号乃至第五号及ヒ第八号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ之ヲ提起スル権利ヲ有スル者カ離縁ノ原因タル事実ヲ知リタル時ヨリ一年ヲ経過シタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス其事実発生ノ時ヨリ十年ヲ経過シタル後亦同シ
第八百七十一条 第八百六十六条第六号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ養親カ養子ノ復帰シタルコトヲ知リタル時ヨリ一年ヲ経過シタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス其復帰ノ時ヨリ十年ヲ経過シタル後亦同シ
第八百七十二条 第八百六十六条第七号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ養子ノ生死カ分明ト為リタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百七十三条 第八百六十六条第九号ノ場合ニ於テ離婚ノ請求アリタルトキハ之ニ附帯シテ離縁ノ請求ヲ為スコトヲ得
第八百六十六条第九号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ当事者カ離婚アリタルコトヲ知リタル後六个月ヲ経過シ又ハ離縁請求ノ権利ヲ放棄シタルトキハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百七十四条 養子カ戸主ト為リタル後ハ之ニ対シテ離縁ヲ為スコトヲ得ス但隠居ヲ為シタル後ハ此限ニ在ラス
旧第八百八十条
削除
旧第八百八十二条
削除
第八百七十六条(旧第八百八十三条) 夫婦カ養子ト為リ又ハ養子カ養親ノ他ノ養子ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ妻カ離縁ニ因リテ養家ヲ去ルヘキトキハ夫ハ其選択ニ従ヒ離縁又ハ離婚ヲ為スコトヲ要ス
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整理案第七百四十一条(旧第七百三十八条)ヲ左ノ如ク改ム
婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入リタル者カ更ニ婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入ラント欲スルトキハ婚家若クハ養家及ヒ実家ノ戸主ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ同意ヲ為ササリシ戸主ハ婚姻又ハ養子縁組ノ日ヨリ一年内ニ予メ復籍ヲ拒ムコトヲ得
同第七百四十八条(旧第七百四十六条)ニ左ノ第二項ヲ加フ
戸主又ハ家族ノ孰レニ属スルカ判然セサル財産ハ戸主ノ財産ト推定ス
第七百七十一条(旧第七百七十三条)ヲ左ノ如ク改ム
子カ婚姻ヲ為スニハ其家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但男ハ満三十年女ハ満二十五年ニ達シタル後ハ此限ニ在ラス
父母ノ一方カ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ其意思ヲ表示スルコト能ハサルトキハ他ノ一方ノ同意ノミヲ以テ足ル
父母共ニ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ其意思ヲ表示スルコト能ハサルトキハ未成年者ハ其後見人及ヒ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第七百七十二条(旧第七百七十四条)ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第七百七十三条 禁治産者カ婚姻ヲ為スニハ其後見人ノ同意ヲ得ルコトヲ要セス
第七百七十四条(旧第七百七十五条)ヲ左ノ如ク改ム
婚姻ハ之ヲ戸籍吏ニ届出ツルニ因リテ其効力ヲ生ス
前項ノ届出ハ当事者双方及ヒ成年ノ証人二人以上ヨリ口頭ニテ又ハ署名シタル書面ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス
第七百七十五条(旧第七百七十六条)ヲ左ノ如ク改ム
戸籍吏ハ婚姻カ第七百四十一条第一項、第七百四十四条、第七百五十条第一項、第七百五十四条第一項、第七百六十四条乃至第七百七十二条及ヒ前条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ其届出ヲ受理スルコトヲ得ス但婚姻カ第七百四十一条第一項又ハ第七百五十条第一項ノ規定ニ違反スル場合ニ於テ戸籍吏カ注意ヲ為シタルニ拘ハラス当事者カ其届出ヲ為サント欲スルトキハ此限ニ在ラス
第七百八十一条(旧第七百八十二条)ヲ左ノ如ク改ム
第七百六十四条乃至第七百七十条ノ規定ニ違反シタル婚姻ハ各当事者、其戸主、親族又ハ検事ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但検事ハ当事者ノ一方カ死亡シタル後ハ之ヲ請求スルコトヲ得ス
第七百六十五条乃至第七百六十七条ノ規定ニ違反シタル婚姻ニ付テハ当事者ノ配遇者又ハ前配偶者モ亦其取消ヲ請求スルコトヲ得
第七百八十五条(旧第七百八十六条)ヲ左ノ如ク改ム
前条ノ取消権ハ左ノ場合ニ於テ消滅ス
一 同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者カ婚姻アリタルコトヲ知リタル後又ハ詐欺ヲ発見シ若クハ強迫ヲ免レタル後六个月ヲ経過シタルトキ
二 同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者カ追認ヲ為シタルトキ
三 婚姻届出ノ日ヨリ二年ヲ経過シタルトキ
第七百八十六条(旧第七百八十七条)ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第七百八十七条 婿養子縁組ノ場合ニ於テハ各当事者ハ縁組ノ無効又ハ取消ヲ理由トシテ婚姻ノ取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但縁組ノ無効又ハ取消ノ請求ニ附帯シテ婚姻ノ取消ヲ請求スルコトヲ妨ケス
前項ノ取消権ハ当事者カ縁組ノ無効ナルコト又ハ其取消アリタルコトヲ知リタル後三个月ヲ経過シ又ハ其取消権ヲ放棄シタルトキハ消滅ス
第八百条ヲ左ノ如ク改ム
夫又ハ女戸主ハ用方ニ従ヒ其配偶者ノ財産ノ使用及ヒ収益ヲ為ス権利ヲ有ス
夫又ハ女戸主ハ其配偶者ノ財産ノ果実中ヨリ其債務ノ利息ヲ払フコトヲ要ス
第八百四条ヲ左ノ如ク改ム
夫カ妻ノ財産ヲ管理スル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ裁判所ハ妻ノ請求ニ因リテ夫ヲシテ其財産ノ管理及ヒ返還ニ付キ相当ノ担保ヲ供セシムルコトヲ得
第八百十一条ヲ左ノ如ク改ム
第七百七十三条及ヒ第七百七十四条ノ規定ハ協議上ノ離婚ニ之ヲ準用ス
第八百十二条ヲ左ノ如ク改ム
戸籍吏ハ協議ノ真実ナルコト及ヒ前二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ離婚ノ届出ヲ受理スルコトヲ得ス
戸籍吏カ前項ノ規定ニ違反シテ届出ヲ受理シタルトキト雖モ離婚ハ之カ為メニ其効力ヲ妨ケラルルコトナシ
第八百十四条ヲ左ノ如ク改ム
夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ
二 妻カ奸通ヲ為シタルトキ
三 夫カ奸淫罪ニ因リテ刑ニ処セラレタルトキ
四 配偶者カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
六 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
七 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
八 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ為シタルトキ
九 配偶者カ三年以上心神ヲ喪失シ本心ニ復スル望ナキトキ
十 配偶者ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
十一 婿養子縁組ノ場合又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離縁アリタルトキ
第八百十七条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第八百十八条 第八百十四条第十一号ノ場合ニ於テ離縁ノ請求アリタルトキハ之ニ附帯シテ離婚ノ請求ヲ為スコトヲ得
第八百十四条第十一号ノ事由ニ因ル離婚ノ訴ハ当事者カ離縁アリタルコトヲ知リタル後三个月ヲ経過シ又ハ離婚請求ノ権利ヲ放棄シタルトキハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
旧第八百十八条及ヒ第八百十九条ハ之ヲ削除ス
第八百二十条(旧第八百二十一条)ヲ左ノ如ク改ム
妻カ婚姻中ニ懐胎シタル子ハ夫ノ子ト推定ス
婚姻成立ノ日ヨリ二百日後又ハ婚姻ノ解消若クハ取消ノ日ヨリ三百日内ニ生レタル子ハ婚姻中ニ懐胎シタルモノト推定ス
旧第八百二十五条ハ之ヲ削除シ第八百二十四条ニ左ノ第二項ヲ加フ
前項ノ承認ヲ為スニハ夫カ無能力者ナルトキト雖モ其法定代理人ノ同意ヲ得ルコトヲ要セス
旧第八百二十六条及ヒ第八百二十九条ハ之ヲ削除ス
第八百二十九条(旧第八百三十三条)第三項ハ之ヲ削除シ第八百三十一条(旧第八百三十五条)ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第八百三十二条 認知ハ出生ノ時ニ遡リテ其効力ヲ生ス但第三者カ既ニ取得シタル権利ヲ害スルコトヲ得ス
第八百三十三条(旧第八百三十六条)但書ハ之ヲ削除ス
第八百三十九条(旧第八百四十三条)ヲ左ノ如ク改ム
法定ノ推定家督相続人タル男子アル者ハ男子ヲ養子ト為スコトヲ得ス但女婿ト為ス為メニスル場合ハ此限ニ在ラス
旧第八百四十七条ハ之ヲ削除ス
旧第八百四十八条乃至第八百五十三条ヲ左ノ如ク改ム
第八百四十三条 養子ト為ルヘキ者カ十五年未満ナルトキハ其家ニ在ル父母之ニ代ハリテ縁組ノ承諾ヲ為スコトヲ得
継父母又ハ嫡母カ前項ノ承諾ヲ為スニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第八百四十四条 成年ノ子カ養子ヲ為シ又ハ満十五年以上ノ子カ養子ト為ルニハ其家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス
第八百四十五条 縁組又ハ婚姻ニ因リテ他家ニ入リタル者カ更ニ養子トシテ他家ニ入ラント欲スルトキハ実家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス但妻カ夫ニ随ヒテ他家ニ入ル場合ハ此限ニ在ラス
第八百四十六条 第七百七十一条第二項及ヒ第三項ノ規定ハ前三条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七百七十二条ノ規定ハ前二条ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百四十七条 第七百七十三条及ヒ第七百七十四条ノ規定ハ縁組ニ之ヲ準用ス
第八百四十八条 養子ヲ為サント欲スル者ハ遺言ヲ以テ其意思ヲ表示スルコトヲ得此場合ニ於テハ養子ト為ルヘキ者又ハ第八百四十三条ノ規定ニ依リ之ニ代ハリテ承諾ヲ為シタル者及ヒ成年ノ証人二人以上ヨリ遅滞ナク縁組ノ届出ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ届出ハ養親ノ死亡ノ時ニ遡リテ其効力ヲ生ス
第八百四十九条 戸籍吏ハ縁組カ第七百四十一条第一項、第七百四十四条、第七百五十四条第一項及ヒ前十二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ其届出ヲ受理スルコトヲ得ス
第七百七十五条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百五十五条(旧第八百五十九条)ヲ左ノ如ク改ム
第八百三十八条又ハ第八百三十九条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ各当事者、其戸主又ハ親族ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得
第八百五十六条(旧第八百六十条)ヲ左ノ如ク改ム
第八百四十条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ養子又ハ其実方ノ親族ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得但管理ノ計算カ終ハリタル後養子カ追認ヲ為シ又ハ六个月ヲ経過シタルトキハ此限ニ在ラス
追認ハ養子カ成年ニ達シ又ハ能力ヲ回復シタル後ニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス
養子カ成年ニ達セス又ハ能力ヲ回復セサル間ニ管理ノ計算カ終ハリタル場合ニ於テハ第一項但書ノ期間ハ養子カ成年ニ達シ又ハ能力ヲ回復シタル時ヨリ之ヲ起算ス
旧第八百六十二条ハ之ヲ削除ス
旧第八百六十三条及ヒ第八百六十四条ヲ合セテ左ノ一条トス
第八百五十八条 第八百四十四条乃至第八百四十六条ノ規定ニ違反シタル縁組ハ同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得同意カ詐欺又ハ強迫ニ因リタルトキ亦同シ
第七百八十五条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百六十五条(旧第八百七十一条)ヲ左ノ如ク改ム
第七百七十三条及ヒ第七百七十四条ノ規定ハ協議上ノ離縁ニ之ヲ準用ス
戸籍吏ハ協議ノ真実ナルコト及ヒ前二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ離縁ノ届出ヲ受理スルコトヲ得ス
第八百十二条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
旧第八百七十二条乃至第八百七十九条ヲ左ノ如ク改ム
第八百六十六条 縁組ノ当事者ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
一 他ノ一方ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
二 他ノ一方ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ
三 養親ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ
四 他ノ一方カ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
五 養子ニ家名ヲ涜シ又ハ家産ヲ傾クヘキ重大ナル過失アリタルトキ
六 養子カ逃亡シテ三年以上復帰セサルトキ
七 養子ノ生死カ三年以上分明ナラサルトキ
八 他ノ一方カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ為シタルトキ
九 婿養子縁組ノ場合又ハ養子カ家女ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ離婚アリタルトキ
第八百六十七条 養子カ満十五年ニ達セサル間ハ其縁組ニ付キ承諾権ヲ有スル者ヨリ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得
第八百四十三条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八百六十八条 第八百六十六条第一号乃至第六号ノ場合ニ於テ当事者ノ一方カ他ノ一方又ハ其直系尊属ノ行為ヲ宥恕シタルトキハ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百六十九条 第八百六十六条第四号ノ場合ニ於テ当事者ノ一方カ他ノ一方ノ行為ニ同意シタルトキハ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百六十六条第四号ニ掲ケタル刑ニ処セラレタル者ハ他ノ一方ノ処刑ヲ理由トシテ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百七十条 第八百六十六条第一号乃至第五号及ヒ第八号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ之ヲ提起スル権利ヲ有スル者カ離縁ノ原因タル事実ヲ知リタル時ヨリ一年ヲ経過シタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス其事実発生ノ時ヨリ十年ヲ経過シタル後亦同シ
第八百七十一条 第八百六十六条第六号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ養親カ養子ノ復帰シタルコトヲ知リタル時ヨリ一年ヲ経過シタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス其復帰ノ時ヨリ十年ヲ経過シタル後亦同シ
第八百七十二条 第八百六十六条第七号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ養子ノ生死カ分明ト為リタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百七十三条 第八百六十六条第九号ノ場合ニ於テ離婚ノ請求アリタルトキハ之ニ附帯シテ離縁ノ請求ヲ為スコトヲ得
第八百六十六条第九号ノ事由ニ因ル離縁ノ訴ハ当事者カ離婚アリタルコトヲ知リタル後六个月ヲ経過シ又ハ離縁請求ノ権利ヲ放棄シタルトキハ之ヲ提起スルコトヲ得ス
第八百七十四条 養子カ戸主ト為リタル後ハ之ニ対シテ離縁ヲ為スコトヲ得ス但隠居ヲ為シタル後ハ此限ニ在ラス
旧第八百八十条及ヒ第八百八十二条ハ之ヲ削除ス
第八百七十六条(旧第八百八十三条) 夫婦カ養子ト為リ又ハ養子カ養親ノ他ノ養子ト婚姻ヲ為シタル場合ニ於テ妻カ離縁ニ因リテ養家ヲ去ルヘキトキハ夫ハ其選択ニ従ヒ離縁又ハ離婚ヲ為スコトヲ要ス
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