明治民法(明治29・31年)

整理案

参考原資料

第八百七十七条(旧第八百八十四条) 子ハ其家ニ在ル父ノ親権ニ服ス但独立ノ生計ヲ立ツル成年者ハ此限ニ在ラス 父カ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ親権ヲ行フコト能ハサルトキハ家ニ在ル母之ヲ行フ 第八百八十三条(旧第八百九十条) 未成年ノ子ハ親権ヲ行フ父又ハ母ノ許可ヲ得ルニ非サレハ職業ヲ営ムコトヲ得ス 父又ハ母ハ第六条第二項ノ場合ニ於テハ前項ノ許可ヲ取消シ又ハ之ヲ制限スルコトヲ得 第八百八十四条(旧第八百九十一条) 親権ヲ行フ父又ハ母ハ未成年ノ子ノ財産ヲ管理シ又其財産ニ関スル法律行為ニ付キ其子ヲ代表ス但其子ノ行為ヲ目的トスル義務ヲ生スヘキ場合ニ於テハ本人ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス 第八百九十条(旧第八百九十七条) 子カ成年ニ達シタルトキハ親権ヲ行ヒタル父又ハ母ハ遅滞ナク其管理ノ計算ヲ為スコトヲ要ス但其子ノ養育及ヒ財産ノ管理ノ費用ハ其子ノ財産ノ収益ト之ヲ相殺シタルモノト看做ス 第八百九十三条(旧第九百条) 第六百五十四条及ヒ第六百五十五条ノ規定ハ父又ハ母カ子ノ財産ヲ管理スル場合ニ之ヲ準用ス 第八百九十七条(旧第九百四条) 親権ヲ行フ父又ハ母カ管理ノ失当ニ因リ其子ノ財産ヲ危クシタルトキハ裁判所ハ子ノ親族又ハ検事ノ請求ニ因リ其管理権ノ喪失ヲ宣告スルコトヲ得 父カ前項ノ宣告ヲ受ケタルトキハ管理ハ家ニ在ル母之ヲ行フ 第八百九十八条 前二条ニ定メタル原因カ止ミタルトキハ裁判所ハ本人又ハ其親族ノ請求ニ因リ失権ノ宣告ヲ取消スコトヲ得 第九百条(旧第九百六条) 後見ハ左ノ場合ニ於テ開始ス 一 未成年者ニ対シ親権ヲ行フ者ナキトキ又ハ親権ヲ行フ者カ管理権ヲ有セサルトキ 二 成年者カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキ 第九百一条(旧第九百七条) 未成年者ニ対シ最後ニ親権ヲ行フ者ハ遺言ヲ以テ後見人ヲ指定スルコトヲ得但管理権ヲ有セサル者ハ此限ニ在ラス 親権ヲ行フ父ノ生前ニ於テ母カ予メ財産ノ管理ヲ辞シタルトキハ父ハ前項ノ規定ニ依リ後見人ノ指定ヲ為スコトヲ得 第九百二条(旧第九百八条) 親権ヲ行フ父又ハ母ハ禁治産者ノ後見人ト為ル 妻カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ夫其後見人ト為ル 夫カ後見人タラサルトキハ前項ノ規定ニ依ル 夫カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ妻其後見人ト為ル但夫カ未成年者ナルトキハ此限ニ在ラス 第九百七条(旧第九百十三条) 後見人ハ婦女ヲ除ク外左ノ事由アルニ非サレハ其任務ヲ辞スルコトヲ得ス 一 軍人又ハ軍属トシテ現役ニ服スルコト 二 被後見人ノ住所ノ市又ハ郡以外ニ於テ公務ニ従事スルコト 三 自己ヨリ先ニ後見人タルヘキ者ニ付キ本条又ハ次条ニ掲ケタル事由ノ存セシ場合ニ於テ其事由カ消滅シタルコト 四 禁治産者ニ付テハ十年以上後見ヲ為シタルコト但配偶者、直系血族及ヒ戸主ハ此限ニ在ラス 五 此他正当ノ事由 第九百八条(旧第九百十四条) 左ニ掲ケタル者ハ後見人タルコトヲ得ス 一 未成年者 二 禁治産者及ヒ準禁治産者 三 剥奪公権者及ヒ停止公権者 四 裁判所ニ於テ免黜セラレタル法定代理人又ハ保佐人 五 復権ヲ得サル破産者 六 被後見人ニ対シ訴訟ヲ為シ又ハ為シタル者及ヒ其配偶者並ニ直系血族 七 行方ノ知レサル者 八 裁判所ニ於テ後見ノ任務ニ堪ヘサル事跡、不正ノ行為又ハ著シキ不行跡アリト認メタル者 第九百九条(旧第九百十五条) 第九百一条乃至第九百五条、第九百七条及ヒ前条ノ規定ハ保佐人ニ之ヲ準用ス 保佐人又ハ其代表スル人ト準禁治産者トノ利益相反スル行為ニ付テハ保佐人ハ臨時保佐人ヲ選任センコトヲ親族会ニ請求スルコトヲ要ス 第九百十四条(旧第九百二十条) 後見人ノ配偶者、直系血族又ハ兄弟姉妹ハ後見監督人タルコトヲ得ス 第九百二十三条(旧第九百二十九条) 後見人ハ被後見人ノ財産ヲ管理シ又其財産ニ関スル法律行為ニ付キ被後見人ヲ代表ス 第八百八十四条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第九百三十四条(旧第九百四十条) 被後見人カ戸主ナルトキハ後見人ハ之ニ代ハリテ其権利ヲ行フ但家族ヲ離籍シ、其復籍ヲ拒ミ又ハ家族カ分家ヲ為シ若クハ廃絶家ヲ再興スルコトニ同意スルニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス 後見人ハ未成年者ニ代ハリテ親権ヲ行フ但第九百十七条乃至第九百二十一条及ヒ前十条ノ規定ヲ準用ス 第九百三十五条(旧第九百四十一条) 親権ヲ行フ者カ管理権ヲ有セサル場合ニ於テハ後見人ハ財産ニ関スル権限ノミヲ有ス 第九百四十三条(旧第九百四十九条) 本法其他ノ法令ノ規定ニ依リ親族会ヲ開クヘキ場合ニ於テハ会議ヲ要スル事件ノ本人、戸主、親族、後見人、後見監督人、保佐人、検事又ハ利害関係人ノ請求ニ因リ裁判所之ヲ招集ス 第九百四十四条(旧第九百五十条) 親族会員ハ三人以上トシ親族其他本人又ハ其家ニ縁故アル者ノ中ヨリ裁判所之ヲ選定ス 後見人ヲ指定スルコトヲ得ル者ハ遺言ヲ以テ親族会員ヲ選定スルコトヲ得 旧第九百五十二条 削除 第九百四十八条(旧第九百五十五条) 無能力者ノ為メニ設ケタル親族会ハ其者ノ無能力ノ止ムマテ継続ス此親族会ハ最初ノ招集ノ場合ヲ除ク外本人、其法定代理人、後見監督人又ハ保佐人之ヲ招集ス 第九百四十九条(旧第九百五十六条) 親族会ニ缺員ヲ生シタルトキハ其親族会ハ補缺員ノ選定ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス 第九百五十四条(旧第九百六十一条) 扶養ノ義務ヲ負フ者数人アル場合ニ於テハ其義務ヲ履行スヘキ者ノ順序左ノ如シ 第一 配偶者 第二 直系卑属 第三 直系尊属 第四 戸主 第五 前条第二項ニ掲ケタル者 第六 兄弟姉妹 直系ノ卑属又ハ尊属ノ間ニ於テハ其親等ノ最モ近キ者ヲ先ニス前条第二項ニ掲ケタル直系尊属間亦同シ 第九百五十六条(旧第九百六十三条) 扶養ヲ受クル権利ヲ有スル者数人アル場合ニ於テ扶養義務者ノ資力カ其全員ヲ扶養スルニ足ラサルトキハ扶養義務者ハ左ノ順序ニ従ヒ扶養ヲ為スコトヲ要ス 第一 直系尊属 第二 直系卑属 第三 配偶者 第四 第九百五十三条第二項ニ掲ケタル者 第五 兄弟姉妹 第六 前五号ニ掲ケタル者ニ非サル家族 第九百五十四条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 旧第九百七十条 削除 <!-- 第八百七十七条(旧第八百八十四条)第二項ヲ左ノ如ク改ム  父カ知レサルトキ、死亡シタルトキ、家ヲ去リタルトキ又ハ親権ヲ行フコト能ハサルトキハ家ニ在ル母之ヲ行フ 第八百八十三条(旧第八百九十条)第一項冒頭ニ「未成年ノ」ノ四字ヲ加フ 第八百八十四条(旧第八百九十一条)ヲ左ノ如ク改ム  親権ヲ行フ父又ハ母ハ未成年ノ子ノ財産ヲ管理シ又其財産ニ関スル法律行為ニ付キ其子ヲ代表ス但其子ノ行為ヲ目的トスル義務ヲ生スヘキ場合ニ於テハ本人ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス 第八百九十条(旧第八百九十七条)ヲ左ノ如ク改ム  子カ成年ニ達シタルトキハ親権ヲ行ヒタル父又ハ母ハ遅滞ナク其管理ノ計算ヲ為スコトヲ要ス但其子ノ養育及ヒ財産ノ管理ノ費用ハ其子ノ財産ノ収益ト之ヲ相殺シタルモノト看做ス 第八百九十三条(旧第九百条)ヲ左ノ如ク改ム  第六百五十四条及ヒ第六百五十五条ノ規定ハ父又ハ母カ子ノ財産ヲ管理スル場合ニ之ヲ準用ス 第八百九十七条(旧第九百四条)ニ左ノ第二項ヲ加フ  父カ前項ノ宣告ヲ受ケタルトキハ管理ハ家ニ在ル母之ヲ行フ 同条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ  第八百九十八条 前二条ニ定メタル原因カ止ミタルトキハ裁判所ハ本人又ハ其親族ノ請求ニ因リ失権ノ宣告ヲ取消スコトヲ得 第九百条(旧第九百六条)第一号ヲ左ノ如ク改ム  未成年者ニ対シ親権ヲ行フ者ナキトキ又ハ親権ヲ行フ者カ管理権ヲ有セサルトキ 第九百一条(旧第九百七条)第一項ヲ左ノ如ク改ム  未成年者ニ対シ最後ニ親権ヲ行フ者ハ遺言ヲ以テ後見人ヲ指定スルコトヲ得但管理権ヲ有セサル者ハ此限ニ在ラス 第九百二条(旧第九百八条)ヲ左ノ如ク改ム  親権ヲ行フ父又ハ母ハ禁治産者ノ後見人ト為ル  妻カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ夫其後見人ト為ル  夫カ後見人タラサルトキハ前項ノ規定ニ依ル  夫カ禁治産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ妻其後見人ト為ル但夫カ未成年者ナルトキハ此限ニ在ラス 第九百七条(旧第九百十三条)第五号ヲ左ノ如ク改ム  此他正当ノ事由 第九百八条(旧第九百十四条)第八号中「親族会」ヲ「裁判所」ト改ム 第九百九条(旧第九百十五条)ヲ左ノ如ク改ム  第九百一条乃至第九百五条、第九百七条及ヒ前条ノ規定ハ保佐人ニ之ヲ準用ス  保佐人又ハ其代表スル人ト準禁治産者トノ利益相反スル行為ニ付テハ保佐人ハ臨時保佐人ヲ選任センコトヲ親族会ニ請求スルコトヲ要ス 第九百十四条(旧第九百二十条)中「弟妹」ヲ「兄弟姉妹」ト改ム 第九百二十三条(旧第九百二十九条)第二項ヲ左ノ如ク改ム  第八百八十四条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第九百三十四条(旧第九百四十条)ヲ左ノ如ク改ム  被後見人カ戸主ナルトキハ後見人ハ之ニ代ハリテ其権利ヲ行フ但家族ヲ離籍シ、其復籍ヲ拒ミ又ハ家族カ分家ヲ為シ若クハ廃絶家ヲ再興スルコトニ同意スルニハ親族会ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス  後見人ハ未成年者ニ代ハリテ親権ヲ行フ但第九百十七条乃至第九百二十一条及ヒ前十条ノ規定ヲ準用ス 第九百三十五条(旧第九百四十一条)ヲ左ノ如ク改ム  親権ヲ行フ者カ管理権ヲ有セサル場合ニ於テハ後見人ハ財産ニ関スル権限ノミヲ有ス 第九百四十三条(旧第九百四十九条)ヲ左ノ如ク改ム  本法其他ノ法令ノ規定ニ依リ親族会ヲ開クヘキ場合ニ於テハ会議ヲ要スル事件ノ本人、戸主、親族、後見人、後見監督人、保佐人、検事又ハ利害関係人ノ請求ニ因リ裁判所之ヲ招集ス 第九百四十四条(旧第九百五十条)ヲ左ノ如ク改ム  親族会員ハ三人以上トシ親族其他本人又ハ其家ニ縁故アル者ノ中ヨリ裁判所之ヲ選定ス  後見人ヲ指定スルコトヲ得ル者ハ遺言ヲ以テ親族会員ヲ選定スルコトヲ得 旧第九百五十二条ハ之ヲ削除ス 第九百四十八条(旧第九百五十五条)ヲ左ノ如ク改ム  無能力者ノ為メニ設ケタル親族会ハ其者ノ無能力ノ止ムマテ継続ス此親族会ハ最初ノ招集ノ場合ヲ除ク外本人、其法定代理人、後見監督人又ハ保佐人之ヲ招集ス 第九百四十九条(旧第九百五十六条)ヲ左ノ如ク改ム  親族会ニ缺員ヲ生シタルトキハ其親族会ハ補缺員ノ選定ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス 第九百五十四条(旧第九百六十一条)ヲ左ノ如ク改ム  扶養ノ義務ヲ負フ者数人アル場合ニ於テハ其義務ヲ履行スヘキ者ノ順序左ノ如シ  第一 配偶者  第二 直系卑属  第三 直系尊属  第四 戸主  第五 前条第二項ニ掲ケタル者  第六 兄弟姉妹  直系ノ卑属又ハ尊属ノ間ニ於テハ其親等ノ最モ近キ者ヲ先ニス前条第二項ニ掲ケタル直系尊属間亦同シ 第九百五十六条(旧第九百六十三条)ヲ左ノ如ク改ム  扶養ヲ受クル権利ヲ有スル者数人アル場合ニ於テ扶養義務者ノ資力カ其全員ヲ扶養スルニ足ラサルトキハ扶養義務者ハ左ノ順序ニ従ヒ扶養ヲ為スコトヲ要ス  第一 直系尊属  第二 直系卑属  第三 配偶者  第四 第九百五十三条第二項ニ掲ケタル者  第五 兄弟姉妹  第六 前五号ニ掲ケタル者ニ非サル家族  第九百五十四条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 旧第九百七十条ハ之ヲ削除ス -->