明治民法(明治29・31年)

甲第六十一号議案明治二十九年五月十六日配付

参考原資料

民法第一議案 [国立国会図書館デジタルコレクション]
第五編 相続 第一章 家督相続 第一節 総則 第九百七十二条 家督相続左ノ事由ニ因リテ開始ス 一 戸主ノ死亡、隠居又ハ国籍喪失 二 女戸主ノ入夫婚姻 第九百七十三条 家督相続人ハ相続開始ノ時ヨリ前戸主ノ有セシ一切ノ権利義務ヲ承継ス但前戸主ノ一身ニ専属セシモノハ此限ニアラス 系譜、祭具及ヒ墳墓ノ所有権ヲ承継スルハ家督相続ノ特権ニ属ス 第九百七十四条 家督相続回復ノ請求権ハ家督相続人カ相続権侵害ノ事実ヲ知リタル時ヨリ五年間之ヲ行ハサルトキハ時効ニ因リテ消滅ス相続開始ノ時ヨリ二十年ヲ経過シタルトキ亦同シ 第九百七十五条 本章ノ規定ハ法令ニ別段ノ定アル場合ニ限リ華族ノ家督相続ニハ之ヲ適用セス 第二節 家督相続人ノ資格 第九百七十六条 家督相続ニ付テハ胎児ハ既ニ生マレタルモノト看做ス 前項ノ規定ハ胎児カ死体ニテ生マレタルトキハ之ヲ適用セス 第九百七十七条 左ニ掲ケタル者ハ家督相続人タルコトヲ得ス 一 他家ノ法定ノ推定家督相続人タル者但本家相続ノ必要アルトキハ此限ニ在ラス 二 故意ニ被相続人又ハ家督相続ニ付キ先順位ニ在ル者ヲ死ニ致シ又ハ死ニ致サントシタル為メ刑ニ処セラレタル者 三 被相続人ノ殺害セラレタルコトヲ知リテ之ヲ告発又ハ告訴セサリシ者但殺害者カ自己ノ配偶者、直系血族其他三親等内ノ血族ナリシトキハ此限ニ在ラス 四 詐欺又ハ強迫ニ因リ被相続人カ相続ニ関スル遺言ヲ為シ、之ヲ取消シ又ハ変更スルコトヲ妨ケタル者 五 詐欺又ハ強迫ニ因リ被相続人ヲシテ相続ニ関スル遺言ヲ為サシメ、之ヲ取消サシメ又ハ之ヲ変更セシメタル者 六 相続ニ関スル被相続人ノ遺言書ヲ偽造、変造、毀滅又ハ蔵匿シタル者