明治民法(明治29・31年)

甲第五十三号議案 (明治二十九年一月七日配付)

参考原資料

第四編 第三章 第四節 離婚 第一款 協議上ノ離婚 第八百十八条 夫婦ハ其協議ヲ以テ離婚ヲ為スコトヲ得 第八百十九条 満二十五年ニ達セサル者カ協議上ノ離婚ヲ為スニハ其家又ハ実家ニ在ル父母ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス此場合ニ於テハ 第七百八十三条第二項、第三項及ヒ第七百八十四条ノ規定ヲ準用ス 第八百二十条 協議上ノ離婚ハ之ヲ戸籍吏ニ届出ツルニ因リテ其効力ヲ生ス此場合ニ於テハ第七百八十五条ノ規定ヲ準用ス 第八百二十一条 前条ノ場合ニ於テ戸籍吏ハ協議ノ真実ナルコト及ヒ前二条ノ規定其他ノ法令ニ違反セサルコトヲ認メタル後ニ非サレハ離婚ノ届出ヲ受理スルコトヲ得ス 第八百二十二条 前二条ノ規定ニ依リテ離婚ヲ為シタル者カ其協議ヲ以テ子ノ監護ヲ為スヘキ者ヲ定メサリシトキハ其監護ハ夫ニ属ス 夫カ離婚ニ因リテ婚家ヲ去リタル場合ニ於テハ子ノ監護ハ妻ニ属ス 前二項ノ規定ハ監護ノ範囲外ニ於テ父母ノ権利義務ニ変更ヲ生スルコトナシ 第二款 裁判上ノ離婚 第八百二十三条 夫婦ノ一方ハ左ノ場合ニ限リ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得 一 配偶者カ重婚ヲ為シタルトキ 二 妻カ奸通ヲ為シタルトキ 三 配偶者カ婚姻中奸淫罪ニ因リテ刑ニ処セラレ又ハ他ノ罪ニ因リテ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタルトキ 四 配偶者ヨリ同居ニ堪ヘサル虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ 五 配偶者ヨリ悪意ヲ以テ遺棄セラレタルトキ 六 配偶者カ婚姻中三年間心神ヲ喪失シ本心ニ復スル望ナキトキ 七 配偶者ノ生死カ三年間分明ナラサルトキ 八 配偶者ノ直系尊属ヨリ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ 九 配偶者カ自己ノ直系尊属ニ対シテ虐待又ハ重大ナル侮辱ヲ受ケタルトキ 第八百二十四条 前条第一号乃至第三号ノ場合ニ於テ夫婦ノ一方カ他ノ一方ノ行為ニ同意シタルトキハ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス 同条第一号乃至第五号及ヒ第八号ノ場合ニ於テ夫婦ノ一方カ他ノ一方又ハ其直系尊属ノ行為ヲ宥恕シタルトキ亦同シ 第八百二十五条 第八百二十三条第三号ニ掲ケタル処刑ノ宣告ヲ受ケタル者ハ其配偶者ノ処刑ヲ理由トシテ離婚ノ請求ヲ為スコトヲ得ス 第八百二十六条 第八百二十三条第一号乃至第五号、第八号及ヒ第九号ノ場合ニ於テ離婚ノ訴ハ之ヲ提起スル権利ヲ有スル者カ離婚ノ原因タル事実ヲ知リタル時ヨリ一年ヲ経過シタル後ハ之ヲ提起スルコトヲ得ス其事実発生ノ時ヨリ十年ヲ経過シタル後亦同シ 第八百二十七条 法定代理人ハ本人ニ代リテ離婚ノ訴ヲ提起スルコトヲ得ス 第八百二十八条 離婚ノ訴ハ判決確定前ニ夫婦ノ一方カ死亡シタルトキハ其効力ヲ失フ 第八百二十九条 夫婦ノ一方ノ過失ニ因リテ離婚ノ判決アリタルトキハ其一方ハ他ノ一方カ自活スルコト能ハサル場合ニ於テ之ヲ扶養スル義務ヲ負フ 第八百二十三条第六号ノ場合ニ於テハ離婚ノ訴ヲ提起シタル者ヨリ其配偶者ヲ扶養スルコトヲ要ス 前二項ニ定メタル義務ハ夫婦ノ一方カ死亡シ又ハ扶養ヲ受クル権利ヲ有スル者カ再婚シタルトキハ消滅ス 第八百三十条 第八百二十二条ノ規定ハ裁判上ノ離婚ニ之ヲ準用ス但裁判所ハ子ノ利益ノ為メ其監護ニ付キ之ニ異ナリタル処分ヲ命スルコトヲ得