明治民法(明治29・31年)

甲第四十八号議案明治二十八年十月八日配付

参考原資料

民法第一議案 [国立国会図書館デジタルコレクション]
第四編 親族 第一章 総則 第七百三十三条 左ニ掲クル者ハ之ヲ親族トス 一 六親等内ノ血族 二 配偶者 三 三親等内ノ姻族 第七百三十四条 親等ハ親族間ノ世数ヲ算シテ之ヲ定ム 傍系ノ親族ハ其一人ヨリ同始祖ニ遡リ其始祖ヨリ他ノ一人ニ下ルマテノ世数ヲ算シテ其親等ヲ定ム 第七百三十五条 養子ト養父母及ヒ其血族トノ間ニ於テハ養子縁組ノ日ヨリ血族間ニ於ケルト同一ノ親族関係ヲ生ス 第七百三十六条 姻族関係ハ離婚ニ因リテ止ム 夫婦ノ一方カ死亡シタル場合ニ於テ生存配偶者其家ヲ去リタルトキ亦同シ 第七百三十七条 養子ト養父母及ヒ其血族トノ親族関係ハ離縁ニ因リテ止ム 養子ノ配偶者、子孫又ハ子孫ノ配偶者カ養子ト共ニ養家ヲ去リタルトキハ其養家ニ於ケル親族関係ハ之ニ因リテ止ム 第二章 戸主及ヒ家族 第一節 総則 第七百三十八条 戸主ノ親族ニシテ其家ニ在ル者及ヒ其配偶者ハ之ヲ家族トス 第七百三十九条 婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入リタル者ハ其配偶者又ハ養子ヲ為シタル者及ヒ両家ノ戸主ノ承諾ヲ得テ在ル自己ノ子孫及ヒ其配偶者ヲ婚家又ハ養家ノ家族ト為スコトヲ得 第七百四十条 婚姻又ハ養子縁組ニ因リテ他家ニ入リタル者ハ離婚又ハ離縁ノ場合ニ於テ実家ニ復籍ス但其者カ離籍セラレタルトキハ一家ヲ創立ス 第七百四十一条 婚姻ニ因リテ他家ニ入リタル者ハ其配偶者ノ死亡シタル後ト雖モ婚家ヨリ更ニ他家ニ入ルコトヲ得ス但婚家及ヒ実家ノ戸主ノ承諾ヲ得テ実家ニ復籍スルハ此限ニ在ラス 前項ノ規定ニ違反シタル者ニ付テハ婚家ノ戸主ハ一年内ニ其離籍ヲ為スコトヲ得 第七百四十二条 前二条ノ規定ニ依リテ実家ニ復籍スヘキ者カ実家ノ廃絶ニ因リテ復籍ヲ為スコト能ハサルトキハ一家ヲ創立ス但実家ヲ再興スルコトヲ妨ケス 第七百四十三条 前三条ノ場合ニ於テ婚家又ハ養家ヲ去リタル者ハ其配偶者又ハ養子ヲ為シタル者及ヒ婚家若クハ養家ノ戸主ノ承諾ヲ以テ其家ニ在ル自己ノ子孫及ヒ其配偶者ヲ自家ノ家族ト為スコトヲ得但実家ニ復籍スル場合ニ於テハ尚実家戸主ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス 第七百四十四条 第七百三十九条、第七百四十三条及ヒ第七百五十一条ノ場合ニ於テ子孫カ推定家督相続人ナルトキハ其転籍ヲ為サシムルコトヲ得ス但其者カ成年者ニシテ承諾ヲ為シタルトキハ此限ニ在ラス 第七百四十五条 入夫婚姻ノ場合ニ於テハ入夫ヲ以テ戸主トス但当事者カ婚姻ノ当時反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此限ニ在ラス 第二節 戸主及ヒ家族ノ権利義務 第七百四十六条 戸主及ヒ家族ハ其家ノ氏ヲ称ス 第七百四十七条 戸主ハ其身分及ヒ資力ニ応シテ家族ヲ扶養シ且教育スル義務ヲ負フ但家族カ自ラ其費用ヲ支弁スルコトヲ得ルトキハ此限ニ在ラス 第七百四十八条 家族カ自己ノ名ニ於テ得タル財産ハ其専有ニ属ス 第七百四十九条 家族ハ戸主ノ意ニ反シテ其居所ヲ定ムルコトヲ得ス 家族カ前項ノ規定ニ違反シタルトキハ戸主ハ相当ノ期間ヲ定メテ其指定シタル場所ニ居所ヲ転スヘキ旨ヲ催告スルコトヲ得若シ家族カ其催告ニ応セサルトキハ戸主ハ之ニ対シテ第七百四十七条ノ義務ヲ免ル 第七百五十条 家族カ婚姻又ハ養子縁組ヲ為サントスルトキハ戸主ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス 家族カ前項ノ規定ニ反シテ婚姻又ハ養子縁組ヲ為シタルトキハ戸主ハ一年内ニ其離籍ヲ為スコトヲ得 第七百五十一条 成年ノ家族ハ戸主ノ承諾アルトキハ何時ニテモ分家ヲ為スコトヲ得 前項ノ規定ニ依リテ分家ヲ為シタル者ノ配偶者、子孫及ヒ子孫ノ配偶者ハ分家ノ家族トス但本家ノ戸主カ不同意ヲ表シタルトキハ此限ニ在ラス 第七百五十二条 戸主ノ生死分明ナラサルトキハ其権利ハ推定家督相続人之ヲ行フ